中国で世界初の「女性AIアナウンサー」がデビューしました。
全国人民代表大会(中国の国会)の開幕に合わせてのタイミングです。
おそらくこの女性AIアナウンサーを見た方は、「ウソでしょ?」「本当にロボット?」といった感想を抱くと思います。
これについては「百聞は一見に如かず」です。
お時間に余裕のある方は、以下のURLか、YouTubeで「女性AIアナウンサー」と検索して動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=8DqSzQcjWtE
ちなみに、中国ではメディア関係者は「AI録音機」を使い、「AI録音機」が話し言葉を書き言葉にし、原稿起こしをしてくれるそうです。
その上、英語など外国語にも同時翻訳してくれるという優れものだそうです。
習近平国家主席は「AIで世界最強国家を目指す」と言っているそうですが、このように、「変化」が確実に表れてきているようです。
一方、以前のコラムでもご紹介した事がありますが、アメリカでも有名な動画があります。
オバマ元大統領の「そっくりさん」でもなければ「本人」でもなく、AI技術を駆使して制作された「本物にしか見えないCG」です。
こちらもお時間に余裕のある方は、以下URLか、YouTubeで「You Won't Believe What Obama Says In This Video!」と検索して動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=cQ54GDm1eL0
さてAIについては、先進各国が研究開発でしのぎを削っています。
そのような中、先々週のコラムでもお伝えしましたが、米金融大手のゴールドマン・サックスでは、2000年当時に600人いたニューヨーク本社のトレーダーが現在は2人になっており、他はすべてAIに置き換わっています。
そしてそのゴールドマン・サックスで、「昨年第4四半期のトレード損失計上日数が、7年ぶりに多くなった」というニュースが報じられました。
1日の損失が1億ドル(約111億円)に上った日もあったそうです。
すると今度は、「ゴールドマン・サックスがドル取引で失敗」というニュースが新たに報じられました。
つまり、相場の世界も「AI対AI」の時代となってきており、いかに米金融大手のゴールドマン・サックスといえども、苦戦を強いられているわけです。
ところで「なぜ苦戦するのか」を考えた時に、昔からの「相場格言」を考えることによっても、見えてくるものがあります。
・「損切りは早く、利は伸ばせ」
⇒損切りばかりがヒットし、損切り貧乏に陥ることがある
・「安く買って高く売る」
⇒安く買った「つもり」が、ずるずると下がっていくことがある
・「トレンド・イズ・フレンド」
⇒天井付近で買い、どん底付近で売ってしまうことがある
このように一見正しそうに思える「相場格言」も、相場に絶対的な「正解」が無いため、格言通りにいかない事が往々にしてあるのです。
また相場格言には「石が浮かんで、木の葉が沈む」という格言もありますが、相場が道理に合わない値動きをすることもあります。
特に近年は、道理に合わない値動きをする頻度が高くなっています。
このような中、では「どうすればいいのか?」といった時に、私達個人投資家にはプロもうらやむ「武器」がある、と自覚する事が大事だと思います。
それが「時間」です。
金融機関に勤めるプロのトレーダー達は、四半期(3カ月)ごとの決算にしばしば悔しい思いをしているものです。
「もう少し待てば利益になるはず」と思っても、期末がきてしまい、強制的に損失扱いになってしまうからです。
私達個人投資家はこのような背景をよく理解し、「時間を味方につけて勝つ」という考え方を採用することが、特に今の時代は賢明だろうと思います。
さらに、金融情報学が専門で東京大学大学院の和泉教授は「何かおかしいぞ」「そろそろ何かが起こるのではないか」といったような人間的な感覚こそを大事にすべきだ、と言います。
そしてそのような人間的な感覚を培うためにも、普段から複雑な社会の動きや変化を把握することに努めるべきだ、と言います。
つまり普段からニュース等をよくチェックし、社会の動きや変化を把握することに努め、その上で「時間を味方につけて勝つ」というスタンスで臨む事が、私達個人投資家の賢明な対策だと思います。
引き続き頑張りましょう。