AI対AI

 

AIAI」の時代になってきています。

 

相場の世界における売買、サイバー空間における攻撃や防御、フェイクニュース(偽ニュース)の作成や見破るのも「AIAI」になってきています。

 

 

 

しかしこれらに「人間の知恵」がなければ、非常にまずいことになるのではないか、と私は思っています。

 

 

 

さて昨年、フォーブス誌が「最も影響力のあるロシア人」1位にプーチン大統領、2位にズベルバンクのゲルマン・グレフ氏の名前を挙げました。

 

プーチン大統領については誰もが知っていると思いますが、2位のゲルマン・グレフ氏はロシア最大手の銀行であるズベルバンクのCEO(最高経営責任者)になります。

 

 

 

一方、201710月、世界で初めて市民権を取得した「ソフィア」という名前の人工知能ロボットがいます。

 

「ソフィア」の市民権はサウジアラビアで取得されました。

 

 

 

そんな「ソフィア」と前述のゲルマン・グレフ氏が、かつて人工知能をテーマに討論を行ったことがあります。

 

その時の会話は当たり障りのない会話だったと報じられているのですが、それよりも以前の「ソフィア」は「人類を滅亡させる」と発言した事があるそうで、世間は騒然となりました。

 

しかし今の「ソフィア」は少し改善されたのだと思いますが、「人類が好き。世界のすべての人が好き」と発言するようになっているそうです。

 

 

 

そのような中、今度は「ソフィア」の故障がニュースになりました。

 

故障については、「ソフィア」が「ウクライナにおける汚職」についての質問をされた際、そこでフリーズをしてしまい、故障したとの事です。

 

「ソフィア」にとって、「ウクライナにおける汚職」というのが想定外の質問だったのかもしれません。

 

 

 

そしてこのようなニュースを聞くにつれ、やはりロボットはあくまでもロボットであって、決して人間のようにはいかないのだろうな、と私は思います。

 

 

 

しかしゲルマン・グレフ氏は、ロシアに「人工知能省」を創設するよう提案するなど、人工知能の活用にとても前向きだそうです。

 

そしてズベルバンクにおいても人工知能の導入を一気に進め、昨年11月には「中間管理職の70%を解雇した」と発表しました。

 

人工知能によって、中間管理職の人達の仕事が奪われてしまったわけです。

 

 

 

ところがゲルマン・グレフ氏は、つい先日「ズベルバンクは人工知能のミスで数十億ルーブル(1ルーブル=1.70円)を失った」と発表しました。

 

プログラムに入り込んだ小さなミスによって多額の資金を失う事となったようです。

 

しかしそれもこれも、真の原因はゲルマン・グレフ氏が人工知能を過信したからだと思います。

 

 

 

一方で、過去コラムで何度かお伝えしたことがありますが、米金融大手のゴールドマン・サックスでは、2000年当時に600人いたニューヨーク本社のトレーダーが現在は2人になっており、他はすべてAIに置き換わっています。

 

 

 

そしてそのゴールドマン・サックスでも、先日報じられたのが「昨年第4四半期のトレード損失計上日数が、7年ぶりに多くなった」というニュースです。

 

1日の損失が1億ドル(約111億円)に上った日もあったそうです。

 

 

 

やはり「AIAI」の時代となってきている中で、いかに米金融大手のゴールドマン・サックスといえども、「楽勝」とはいかなくなってきているのだと思います。

 

 

 

AIAI」については、国内のFX会社でも、大学と連携して為替相場の研究をしている会社もあります。

 

AIを使って相場予測の精度を上げる事を目標に研究しているそうですが、特に短期的な値動きについては、何か法則のようなものに従った値動きをしているように見えることがある、しかしその法則もコロコロと変わっていく、といった話を聞きました。

 

 

 

このような、昨今の「AIAI」になりつつある相場について考えた時に、改めて人間ならではの「感性」を大事にすべきだと思います。

 

 

 

それは、買いが優勢のようだ、売りが優勢のようだ、買われ過ぎではないか、売られ過ぎではないか、全く動かないな、値動きがおかしいな、ポジション量を少なめにしておこうか・・・といったような「感性」です。

 

 

 

AIAI」で、つまりAI同士が潰し合っているからこそ、上記のような人間ならではの「感性」を大事にすることが、人間がAIよりも優位に立つ秘訣ではないかと思います。

 

 

 

前述のゴールドマン・サックスでは、人間のストラテジスト(投資戦略を考える専門家)が「次の金融危機の際には1ドル=60円の円高を予想する」と言い、先日のブルームバーグで報じられていました。

 

 

 

このような「人間による予想」も参考にすると良いと思いますし、今朝はトランプ大統領が「ドルが強過ぎる」とFRB議長を批判した、というニュースが報じられていました。

 

このようなニュースも参考にすると良いと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。