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昨今の相場は、「良いニュースは悪いニュース」「悪いニュースは良いニュース」と言われる事が多くなっています。

 

それはつまり、良いニュースで下がって、悪いニュースで上がるのが多いという事です。

 

 

 

しかし本来は、良いニュースで上がって、悪いニュースで下がるのが「道理」なので、昨今の相場は相当「歪(いびつ)になっている」と言われています。

 

百戦錬磨のプロ達も「不思議で仕方ない」等と言っています。

 

 

 

そしてその原因は、価格操作やAIの台頭にあると思われます。

 

 

 

ただしそのような中でも、唯一「まとも」な値動きをし始めたように思えるのが「金・銀」の上昇です。

 

最近になって、じりじりと上昇してきています。

 

「金・銀」の上昇の意味は、昔から「有事の金」「有事の銀」と言われるように、地政学的リスクや金融不安の高まりを意識して買われるという事です。

 

 

 

しかし最近の「金・銀」の上昇についても、その中身については「未だに銀が極端に安い」状態です。

 

そのため、「80」を超えると危険シグナルとされる金銀レシオ(金価格÷銀価格)も、昨年の2月から何度も「80」を超えており、現在は半年以上も「80」を超えた状態でキープされています。

 

 

 

つまり、最近の「金・銀」の値動きが意味する事は、「地政学的リスクの高まり」「金融不安の高まり」「危険シグナル点灯中」といった事になります。

 

 

 

そしてこれら「地政学的リスクの高まり」「金融不安の高まり」「危険シグナル点灯中」については、表のニュースからも推測する事ができます。

 

 

 

最近報じられたニュースを以下に整理してみます。

 

 

 

 

 

【日本】

 

・政府が指摘している「戦後最長になった景気回復」について、8割が「実感せず」と回答

 

・上場している地方銀行79行のうち、8割超が減益となった

 

・みずほFGが前年同期比で7割近い減益となった

 

・自動車大手6社が減益となった

 

 

 

【アメリカ】

 

・自動車ローンの延滞、クレジットカードローンの延滞が過去最高を更新中

 

・昨年12月の小売売上高が9年ぶりの大幅減少となった

 

・トランプ大統領が非常事態宣言を発令

 

・非常事態宣言を無効にする動きに対して、トランプ大統領は拒否権を発動すると言明

 

 

 

【欧州】

 

・スペインで4月に総選挙、極右政党の台頭やカタルーニャ独立問題の再燃が懸念

 

・フランスで黄色いベスト運動のデモが毎週続いており、15週目に突入している

 

・フランスとイタリアの外交関係が急激に悪化している

 

2月の欧州PMI(製造業の購買担当者景気指数)が6年ぶりの低水準で、景気減速が見られる

 

 

 

【イギリス】

 

・米自動車大手フォード・モーターがイギリス撤退の可能性をメイ首相に伝えた

 

・ホンダがイギリス工場の生産終了を発表

 

・企業のイギリス離れが加速しており、3割近くが国外移転を検討している

 

・政界の混乱が続き、与野党11人が離党した

 

 

 

 

 

上記はいずれも最近のニュースですが、前述のように、「地政学的リスクの高まり」「金融不安の高まり」「危険シグナル点灯中」といった事が推測できます。

 

 

 

しかし「悪いニュースは良いニュース」という事で、実際はこれらのニュースを受けて、その国の株が買われたり、その国の通貨が買われたりしています。

 

「道理」からすると「おかしい」ですが、これが昨今の相場の特徴です。

 

 

 

ビジネスの世界などでは、しばしば「虫の目、鳥の目、魚の目で物事を見なさい」と言われます。

 

虫のように小さな目で物事の状況を見る事、鳥のように上から俯瞰して物事の状況を見る事、魚のように潮の流れを読む、つまり時代や市場の流れを読む事が大事だという意味で言われています。

 

 

 

昨今の相場について「虫の目、鳥の目、魚の目」で見ますと、少なくとも短期の値動きと中長期の値動きは別物だと考えた方が良さそうです。

 

 

 

しかしそれは、短期的には「良いニュースは悪いニュース」「悪いニュースは良いニュース」といった値動きになったとしても、中長期的には「良いニュースは良いニュース」「悪いニュースは悪いニュース」の値動きに是正されるだろう、という事でもあります。

 

 

 

昨今の相場は、このような事を意識しながら向き合う事が大事だと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。