トランプ大統領が「国家非常事態宣言」を発令しました。
国家非常事態宣言とは、国家が危機にさらされた際に宣言されるもので、武力攻撃や内乱、暴動、テロ、大規模な災害などが起こった際に発令されるものです。
国家非常事態宣言が発令されますと、大統領や首相には通常の政治的プロセスを回避できる権限が与えられ、警察や軍隊などを動員することや、報道や集会を制限することができるようです。
日本では第二次世界大戦の際に国家非常事態宣言が発令された事があります。
アメリカでは9.11同時多発テロ、2005年のハリケーン・カトリーナの際などに発令された事があります。
そして今回は、メキシコ国境を巡る問題、移民問題が「安全保障、人道上の危機にある」との理由で国家非常事態宣言が発令され、メキシコ国境の壁建設を目指すようです。
国家非常事態宣言は文字通り「非常事態」を意味します。
そして問題なのが、企業の経済活動、つまり企業同士の契約の中には通常「Force Majeure(不可抗力条項)」が入っており、戦争や大規模災害のようなケース、今回のような国家非常事態宣言が「Force Majeure(不可抗力条項)」に該当するという事なのです。
要するに、不可抗力条項に該当するからという理由で、企業同士の経済活動において今後契約が実行されないケースが出てくる事もあり得るのです。
これは大きな問題だと思いますし、あちこちで混乱が生じると思います。
そして事実、トランプ大統領の国家非常事態宣言を受けて、民主党は徹底抗戦の構えを見せています。
「著しい権力の乱用である」として、トランプ大統領を非難し、「国家非常事態宣言をするのはおかしい」と言っています。
さらに同じ共和党内からも批判の声が出ているようです。
そのような中、アメリカ国内ではトランプ大統領を弾劾しようという動きも出てきているようです。
しかしアメリカがこのような事態になっているにもかかわらず、トランプ大統領の国家非常事態宣言を受けて、NYダウは443ドル高の大幅上昇となりました。
しかも国家非常事態宣言が発令される前日は、アメリカの小売売上高が9年ぶりの大幅マイナスと発表されたにもかかわらず、NYダウが大幅上昇しました。
さらに言うと、つい最近まで過去最長の35日間の政府閉鎖があり、その後の国家非常事態宣言であるにもかかわらず、NYダウが大幅上昇したという事です。
一方で、為替は相変わらずの「小動き」が継続しています。
ちなみにVIX(恐怖指数)は低下し、投資家は相場の先行きを楽観視している様子となっています。
私は「これはおかしいのではないか?」「不自然なのではないか?」と思っています。
何か操作されているような気がしてなりません。
そして直近では、なぜか「円」が最も売られています。
しかし相場が「不自然だ」「操作されている」という観点に立つならば、今後は突発的な株価の暴落や、突発的な「円」の急騰を想定しておいた方がいいと思います。
現在の株価の大幅上昇やVIX(恐怖指数)の低下を見て、楽観視するのは違うような気がします。
実際、世界3大投資家の一人として知られるジム・ロジャーズ氏も、つい先日「第2の世界金融危機はすでに始まっている」と述べたところです。
今後は、十分に注意して取り組んだ方が良いと思います。
引き続き頑張りましょう。