あけましておめでとうございます。
昨年中は色々とお世話になり心よりお礼申し上げます。
本年もどうぞ、よろしくお願い致します。
さて相場の方ですが、株式市場は昨年末から「歴史的」とも言える激しい値動きの相場となっています。
暴騰と暴落を毎日繰り返し、ジェットコースターのような相場となっています。
一方で為替市場は、株価が乱高下しているのにほとんど動かない、というパターンがずっと続いていましたが、年始の為替市場では価格の「瞬間移動」とも言える暴落がありました。
例えばドル円では、108円台後半から104円台後半へと、約4円も価格が「瞬間移動」しました。
ちなみに、このような「瞬間移動」とも言える暴落の事を「フラッシュ・クラッシュ」といいます。
そして現在はまた108円台に戻っています。
このような極端な値動きが起こるのも、背景にAI(人工知能)による売買があると見て間違いないと思いますが、経済アナリストの豊島逸夫氏が雑誌「週刊エコノミスト」で、AIについての興味深い話をしていました。
豊島氏は昨年の夏、ニューヨークのウォール街から離れた一角に拠点を置く「投機集団」を目の当たりにしたそうです。
その「投機集団」はスーパーコンピュータを導入し、真夏で外の気温が30度を超えていたにも関わらず皆コートを着込み、室内温度を下げてスーパーコンピュータを冷やしていたそうです。
そしてその「投機集団」のボスがAIのプログラムを吟味し、相場における売買はAIが機械的・自動的に行うという事です。
しかし実際のところ、AIには「人間の知恵」もありませんし、「ファンダメンタルズの知識」もありません。
ただプログラムにしたがって動くのみです。
近年はこのようなAIが市場で急速に台頭してきており、だからこそ異常な価格変動が起きやすくなっているのではないか、と豊島氏は述べています。
そして「40年のマーケット生活の中でも、こんな相場は初めての経験だ」と述べています。
さらに、今後は「異常な価格変動」が「常態化」するリスクについても指摘をしています。
また原油市場についても、豊島氏は以下のように語っています。
「原油市場のボラティリティ(価格変動性)は異常に高まり、自己勘定売買のディーラーが次々と退出した。代わりに市場の主役となったのがAIを駆使するヘッジファンドだ。
NYMEX(ニューヨーク・マーカンタイル取引所)のフロアーで人間による値決めが行われる時代は終わった。電子取引のプラットフォームでAIが発する売買注文が飛び交い、モニター画面の数字だけが乱高下する。今や、原油取引市場に人影が見られない」
上記の「原油」に限らず、このように「人」よりも「機械(AI)」の影響力が大きくなってきているのが近年の相場の特徴です。
ですので、今年2019年の相場は、前述のように「異常な価格変動」が「常態化」するリスクがあると考え、強制決済されないように逆算を徹底し、余裕を持った取引を心がける事が大事だと思います。
その上で、「負けない=勝つ」を徹底するのが良いと思います。
しかしいくら極端な値動きが続こうと、価格は最終的にはファンダメンタルズに基づいた方向に収束していくはずです。
つまり為替でしたら、国の経済状態がどうなのか、国家を取り巻く環境がどうなのか、という事で決まると考えられます。
例えば日本とアメリカが相対的にどうなのか、日本と欧州が相対的にどうなのか、アメリカと欧州が相対的にどうなのか、日本とイギリスが相対的にどうなのか、といったような事で決まると考えられます。
そしてそのような中で押さえておきたいポイントとして、最近は以下のようなポイントについては押さえておきたいところです。
・ビッグマック指数から導かれる為替レートに対して、「円」が売られ過ぎとなっている
・トランプ大統領が日本を「円安誘導している」と批判している
・イギリス政府は「合意なきEU離脱」に備えた計画を実行し、企業に対応を促している
・デンマークのダンスケ銀行、ドイツのドイツ銀行で、それぞれ約25兆円、約217兆円のマネーロンダリングが発覚しており、各国が捜査に入っている
・イタリアではカリジェ銀行が潰れかかっており、イタリア国債が売られる事態となっている
・欧州では、「アラブの春」ならぬ「欧州の春」と言われる「黄色いベスト」を着た人達の抗議運動が広がっている
・中国全体の株式時価総額が昨年だけで255兆円減少し、2008年のリーマン・ショック時に匹敵している
さて、ざっと「気になるポイント」を挙げてみましたが、やはり「円高」の相場観を持ちながら取り組んでいくのが良いと思います。
今年2019年は、荒れた相場に翻弄されないように気を付け、丁寧に取り組むのが良いと思います。
今年も頑張っていきましょう。