歪み

 

今年も残すところあとわずかとなりました。

 

 

 

そのような中、先週は米国株式市場で株価が大幅に下落し、週間ベースでの下落がリーマン・ショック直後の200810月以来、約10年ぶりの大幅下落となりました。

 

そして月ベースで見ても、今月はリーマン・ショック以降で最大の下落を記録しています。

 

昨夜も米国株は大きく下落し、本日も日経平均は午前終値で1000円を超える大幅安となっています。

 

 

 

さらにアメリカでは政府機関の一部が閉鎖となり、年明けまで閉鎖が続く可能性が高いと報じられています。

 

首都ワシントンでは、クリスマスツリーも消灯しているそうです。

 

 

 

このように、ただならぬ展開となってきている中、市場では「大丈夫か?」「いったいどうなっているんだ?」という声があがっているようです。

 

 

 

そのような中、世間では来年の相場予想が次々と出ています。

 

 

 

もちろん「予想」は人々や金融機関等によって異なりますが、全般的に円高予想が多いように思います。

 

 

 

さてここで大事な事ですが、「予想」にあたっては、現状の「歪み」について把握する事が大事だと私は思っています。

 

なぜならば、上がり過ぎたものは下がり、下がり過ぎたものは上がるのが相場だからです。

 

 

 

そういう意味では、ありとあらゆる「歪み」が目立つのが最近の相場の特徴で、以下にいくつか挙げてみたいと思います。

 

 

 

 

 

・日本では今や上場企業の約40%で大株主が日銀となっており、中国も真っ青の「社会主義政策」を実施中 ⇒ 日銀の買いによって、日経平均が4000円ほど嵩上げされているのではないかと言われている

 

 

 

5年連続で需要が供給を上回っているにも関わらず、「銀」は5年前よりも価格が35%下がった

 

 

 

・「銀」が下がり過ぎた事によって、「80を超えたら危険シグナル」として知られる金銀レシオが半年近くも80超えをキープしている

 

 

 

2007年に99円台を付けていたトルコリラ円が今や20円台 ⇒ 売られ過ぎだと思われる

 

 

 

・ギリシャ危機等で揺れていた2012年に94円台を付けていたユーロ円が今や126円台 ⇒ 根本的に何も問題が解決されていないので、買われ過ぎだと思われる

 

 

 

 

 

さて上記の「歪み」の中でも、特に為替についての「歪み」を把握する際に参考とされる「ビッグマック指数」というものがあります。

 

これは世界各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個の価格を比較することで得られるもので、イギリスの経済専門誌「エコノミスト」によって毎年発表されています。

 

 

 

ビッグマックは世界中で子供たちを含めて多くの人々が食べているものなので、指標としても信頼性が高いという説があり、ビッグマック指数は通貨がどれだけ過大・過小評価されているか、ということを見るのに便利だと言われています。

 

 

 

例えば日本では今、ビッグマック1個の値段が390円しますが、アメリカでは5.51ドルとなっています。

 

この時、日本とアメリカでちょうどバランスがとれる為替レートは1ドル=70.78円(390円÷5.51ドル)となります。

 

 

 

しかし実際の為替レートは、現在1ドル=110.25円です。

 

つまり、アメリカでは600円程度(5.51ドル)支払わないとビッグマックが買えない計算です。

 

 

 

これはどういう事を意味しているかというと、ビッグマック指数から導かれる為替レート(1ドル=70.78円)に対して、現在の為替レート(1ドル=110.25円)が売られ過ぎだという事です。

 

 

 

そしてこれは対ドルに限らずで、最新のビッグマック指数から見ても、「円」はあらゆる通貨に対して現在「売られ過ぎ」となっています。

 

だからこそ、来年の相場予想も全般的に円高予想が多くなっているのだと思います。

 

 

 

ただしトルコリラについては、「円」以上に現在「売られ過ぎ」となっています。

 

 

 

このように、私達投資家は常に「歪み」を意識し、どこかで「修正されるかもしれない」と意識しておくことが大事ではないかと思います。

 

 

 

現在のあらゆる「歪み」については、特にAI(人工知能)によって拡大されてきたのではないかと思いますが、忍耐強く、まともに「分析」をしながら取り組むことが勝利への道だと思います。

 

 

 

このような事を意識して、来年も引き続き頑張りましょう。