何が起こっているのか

 

世界三大投資家の一人と言われるジム・ロジャーズ氏が、2人の愛娘に送る人生と投資のアドバイスをまとめた「人生と投資で成功するために 娘に贈る13の言葉」(日本経済新聞出版社)という本があります。

 

その本の中に以下のような記述があります。

 

 

 

1991年、世界は大きな変化を経験した。ソビエト連邦が崩壊したのだ。共産主義はそれまで需給に頑強に逆らってきていた。需要と供給の原理という、経済学の教科書の1ページ目に書いてあることに逆らったために、ソ連は体制を維持できなくなった。

 

共産主義が機能しなかったのは当然だ。なぜなら、モノの価格は需給に応じて変化する。たったひとつの国のなかでも、何年にもわたって、政府が歪められた価格を維持することは不可能だ。大帝国であろうが、政府であろうが、需給の原則を覆した者はいまだかつていない。』

 

 

 

『多くの人が現実を見失ったときこそ、冷静に需要と供給を計算すること。こんな簡単なことを守るだけで、君たちは成功に近づけるんだ。』

 

 

 

このように、ジム・ロジャーズ氏は「需要と供給こそが原則」と伝えています。

 

 

 

したがって先月のコラムでもお伝えしたように、「5年連続で需要が供給を上回っている」にも関わらず、「銀」の価格が5年前より35%も下がった事はやはり異常だと言えますし、ある意味「チャンス」とも言えます。

 

特に値下がりした原因が「犯罪行為」による可能性が高く、FBIにより調査継続中との情報もありますので、直に価格が修正高になる可能性が高いと思われるからです。

 

 

 

ところでジム・ロジャーズ氏は、「私は、世界中で何が起こっているのかを隅々まで調べるのが好きだったから、投資で成功することができた」と語っています。

 

 

 

そのような中、ジム・ロジャーズ氏と同様に「世界三大投資家の一人」と言われるジョージ・ソロス氏は、「市場は常に間違っている」という名言で有名です。

 

そして市場が「間違っている」からこそ、いずれ「修正」され、だからこそ「儲ける」ことができると述べています。

 

 

 

ジム・ロジャーズ氏やジョージ・ソロス氏のこれらの発言を踏まえますと、私達投資家は世界中で何が起こっているのかを隅々まで調べ、「何がどう間違っているか」を把握するクセを持つ事が大事だと思います。

 

 

 

現在の市場の「何がどう間違っているか」について、私個人の意見としては、「株」「ユーロ」が買われ過ぎ、「円」「トルコリラ」「金」「銀」が売られ過ぎ・・・と思っています。

 

 

 

そのような中、ジム・ロジャーズ氏もジョージ・ソロス氏も「次の金融危機が近づいているのは確実」と語っており、私は上記の「間違い(買われ過ぎ、売られ過ぎ)」が金融危機によって大幅修正されるのではないかと思っています。

 

 

 

そして、先週は中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の副会長逮捕のニュース、ソフトバンクの大規模な通信障害のニュースが大きく報じられていました。

 

 

 

これらのニュースですが、どうも様々な「裏」がありそうです。

 

まずファーウェイの創業者は中国人民解放軍の出身者で、中国政府との結びつきが強いとされ、逮捕された副会長の孟晩舟(マン・ワンジョウ)氏は創業者の娘です。

 

アメリカはファーウェイ製品には情報漏洩の恐れがあり、スパイ活動に利用されているとして、かねてから国際的なボイコットを呼びかけていました。

 

 

 

一方、ファーウェイは通信基地局のシェアで世界一位となっています。

 

そしてソフトバンクはファーウェイの基地局を採用しています。

 

また、ソフトバンクは提携関係を強めるファーウェイの新型スマートフォンの国内独占販売を1128日に大々的に発表していました。

 

 

 

つまり、アメリカが敵視しているファーウェイとソフトバンクが提携関係を強めているという構図があり、先週はそのような中でのファーウェイ副会長逮捕、ソフトバンクの大規模な通信障害があったという事なのです。

 

 

 

これらが「偶然」という事はないでしょう。

 

 

 

いずれにしても、米中貿易戦争という枠を超えて、「国防」という観点からの争いが激化しているという事です。

 

 

 

そして前述のように、ジム・ロジャーズ氏もジョージ・ソロス氏も「次の金融危機が近づいているのは確実」と語っていますが、このような背景が次の金融危機の「引き金」となるかもしれないのです。

 

 

 

この先十分に注意をしながら取り組んでいきましょう。