警戒信号

 

「銀市場の下落、市場に灯る警戒信号」

 

 

 

半年程前になりますが、ウォール・ストリート・ジャーナルが上記の記事を報じていました。

 

上記の「市場に灯る警戒信号」は、ありとあらゆる市場に影響が及ぶ、との事です。

 

 

 

しかしその後も銀市場は下落を続けています。

 

 

 

私はこの事について、「なぜ、このような犯罪行為(価格操作による銀の下落)がいつまでも放置されているのか?」と思っています。

 

米経済ジャーナリストのマックス・カイザー氏は「JPモルガンによる銀価格の引き下げは確実に凶悪犯罪である」として、JPモルガンによる犯罪行為であると発言しています。

 

さらにカイザー氏は、「JPモルガンは銀価格を意図的に引き下げて、現物を買い漁って退蔵している」と発言しています。

 

 

 

ちなみに銀については銀貨や宝飾品などで利用される事は一般的に知られていますが、それらの割合は50%にも満たず、工業用や電気関連、医療用など多くの用途があります。

 

 

 

自動車業界、エンジン、太陽電池版、気象制御、浄水装置、3Dプリンター、ロングライフ乾電池、メディア媒体、防臭剤、抗菌性の実験室用コート、タッチスクリーン用の手袋、禁煙グッズ、洗濯用洗剤、プラスチック、木材保存剤、パーティ用の爆発物、写真、食べ物の装飾、ステンドグラス、牛乳の保存剤、イボなどを除去するための薬・・・といった多くの用途があるのです。

 

 

 

私が銀価格の下落を「犯罪行為」と思う理由は、需要と供給の関係において「5年連続で需要が供給を上回っている」にも関わらず、5年前よりも価格が35%も下がっているからです。

 

5年前に22ドルだった価格が、今や14ドルです。(1トロイオンスあたり)

 

 

 

銀の「需要と供給」は、毎年トムソン・ロイターGFMS社が報告書を出しており、銀に関して信頼できる、権威ある資料として世界の産業、金融界の方々に広く利用されています。

 

 

 

そしてトムソン・ロイターGFMS社が出した最新の報告書「World Silver Survey 2018」では、世界の銀の需要合計が31,652トン、供給合計が30,843トンとなっており、やはり需要が供給を上回っています。

 

 

 

「需要と供給」という基本に立ち返ると、銀は5年前の22ドルよりも高くなっていなければ「おかしい」わけですが、反対にずっと下落を続けています。

 

 

 

さて冒頭で述べたように、「銀市場の下落、市場に灯る警戒信号」は、あらゆる市場に対する「警戒信号」が灯っている状態、という事です。

 

 

 

昔から「金と銀」「金貨と銀貨」といったように、金と銀はセットで語られる事が多く、金融の世界には「金銀レシオ」というものがあります。

 

これは「金価格÷銀価格」といったシンプルなもので、歴史的には65くらいが平均値となります。

 

 

 

現在の金銀レシオは、銀価格が極端に下げられているために85.4まで上昇しており、「金銀レシオが80を超えたら危険シグナル」として多くの投資家に知られていますが、まさに「危険シグナル」が灯っている状態です。

 

 

 

過去に金銀レシオが80を超えたのは、2008年のリーマン・ショック時、2016年初頭のチャイナ・ショック時です。

 

 

 

現在はこれが85.4まで上昇してきていますので、「いつ金融危機が発生してもおかしくない」と考えられます。

 

 

 

米中間選挙が終わり、NYダウは500ドル超上昇しましたが、市場では「やり過ぎ」「スピード違反」との声も多くあがっています。

 

 

 

今後は十分に警戒をしながら臨む方が良いと思います。