金融裏話

 

今回は「金融裏話」についてお話したいと思います。

 

裏話は挙げればキリがないほどたくさんあります。

 

また裏話というのは、知らない人が多いからこその裏話といえます。

 

そういう意味では、裏話は日々アップデートされているともいえます。

 

しかし重要なのは裏話を全て知る事よりも、裏話を通じて「相場の本質を知る事」です。

 

 

 

例えば、今月に入って株式市場の暴落が続きましたが、複数メディア等でも報じられているように、数日間で元金の7割、8割、9割を失った「プロ」が世界中にいます。

 

また、FX会社等でも最近の株式市場の暴落に関連して「オープニング直後や深夜帯・早朝等、流動性の薄い時間帯等を狙っての仕掛け等の可能性も考えられますので、ご注意ください」とアナウンスをしています。

 

このような情報は知らない人にとっては裏話になりますが、知っている人からすれば裏話ではありません。

 

 

 

今回は最近の相場に関係していると思われる話で、より多くの人が知らないだろうと思われる裏話をしたいと思います。

 

 

 

では、まず最近の相場について振り返ってみましょう。

 

 

 

22日】NYダウ666ドル安

 

リーマンショックのあった2008915日のNYダウ504ドル安を超え、1日の下げ幅としてはリーマンショック以降最大の下げ幅。(翌営業日に記録は更新される)

 

 

 

25日】NYダウ1175ドル安

 

過去最大の下げ幅。一時1600ドル安、その後760ドル安まで戻し、最後は1175ドル安。800ドル安から1600ドル安に至るまでわずか数分。

 

 

 

26日】日経平均株価1071.84円安

 

過去3番目の下げ幅。一時1600円安、最後は1071.84円安。

 

 

 

28日】NYダウ1033ドル安

 

過去2番目の下げ幅。終始下落基調の展開。

 

 

 

 

 

さて直近では少し値段を戻しているものの、「暴落」かつ「まともではない相場展開」があったという事です。

 

先週のコラムでもお伝えしましたが、22日の「NYダウ666ドル安」の背景は、この日発表された1月米雇用統計は市場予想よりも好調、12月米製造業新規受注も市場予想よりも好調、1月米消費者態度指数も市場予想よりも好調と、全てが市場予想よりも好調だった結果として起こった暴落でした。

 

 

 

そして今度は26日の「NYダウ1175ドル安(過去最大の下げ幅)」ですが、これもこの日発表された1月米ISM製造業景気指数が市場予想よりも好調だった結果として起こった暴落でした。

 

 

 

28日の「NYダウ1033ドル安(過去2番目の下げ幅)」についても、この日発表された米新規失業保険申請件数が市場予想よりも好調だった結果として起こった暴落でした。

 

 

 

この1年間、相場はすべてこのような調子だったといっても過言ではなく、分かりやすく言いますと「豊作だったら値下がりする、不作だったら値上がりする」といったような経済原則の逆をいく展開ばかりが続き、「豊作で値上がり、不作で値下がり」といったような異常な展開が続いています。

 

分かりやすいところでは、例えば銀(シルバー)でも、最新レポート「World Silver Survey 2017」において、世界の銀の需要が31,968トン、供給が31,324トンと、644トンの供給不足が公表されているにも関わらず、相場は下落を続けています。

 

 

 

為替についてもこの1年間は「ドル安、円安」「低ボラティリティ」ばかりが続きましたが、百歩譲っても「ここまで一方的にドルと円が売られる理由はない」「低ボラティリティであり続ける理由がない」という事を多くの専門家が繰り返し指摘し続けていました。

 

 

 

そして本来、株式市場がここまで大荒れした場合、為替市場も大荒れするものなのですが、今回の為替市場は一時的な乱高下だけが起こり、株式市場の暴落のような一方的な値動きにはなりませんでした。

 

こういった値動きついても、あちらこちらで指摘されているように「おかしな展開」だと思います。

 

 

 

さすがにこのような展開ばかりが続きますと、まともな経済活動が成り立たなくなると思われます。

 

このような展開を見兼ねてか、トランプ米大統領も「良いニュースによって相場が暴落するのは、大きな誤りだ」と発言しました。

 

 

 

もちろん、相場には昔から「不可解な展開」はあるものですが、あくまで「一過性」の事でした。

 

こんなにも長く、1年間にもわたって不可解な展開が続くというのは、過去になかった展開です。

 

 

 

金融市場では「チューリッヒ(スイス)の子鬼たち」という言葉があります。

 

スイスの諸銀行を舞台として、金融市場で投機筋が暗躍していることを指した表現です。

 

そんな中、「チューリッヒの子鬼」と言われていた元トレーダーの豊島逸夫氏も昨今の値動きについて「ぶっちゃけ、分からない」「そもそも株が上がって金が買われ、株が下がって金も下がる。従来の市況の法則がもはや当てはまらない。他にも例えば、ドル金利が上がったのに、ドル安になるとか、専門家が説明に窮するような事例が頻発している。色々後講釈はあるが、説得力なし。アルゴリズム取引など市場の取引構造が変わっている」と語っています。

 

 

 

先週のコラムでも【ウォールストリート・ジャーナルも昨今の値動きについて「もっともらしい説明は出てくるものの、いずれも説得力に欠ける」と報じていました】とお伝えしましたが、ウォールストリート・ジャーナルだけではなく、米大手経済メディアのCNBCも同様の事を述べていました。

 

 

 

このように、元トレーダーやウォールストリート・ジャーナル、CNBCといった経済専門のメディアをもってしても説明がつかない相場、過去コラムでも述べたように、ノーベル経済学受賞者までもが「理解不能」と言う相場とは「誰のための何のための相場なのか」という話になってきます。

 

今回の暴落については、AI(人工知能)によるアルゴリズム取引が暴走したと報じられていますが、問題は「きっかけ」が不透明なところです。

 

 

 

ここで浮上してきている裏話というのが、政治の権力闘争によって今回の暴落が仕掛けられたとする説です。

 

 

 

皆さんも「ロシアゲート疑惑」については聞かれたことがあると思います。

 

米大統領選でトランプ陣営とロシアの繋がりに関する疑惑が浮上した件の事です。

 

 

 

この件について、先日アメリカでは「疑惑のメモ」が公開され、騒ぎになっています。

 

そのメモの内容は、2016年大統領選中にヒラリー陣営が「トランプのロシア疑惑」を捏造したとするものです。

 

さらにそれを理由にFBIなどの捜査当局がトランプ陣営の選挙スタッフに対して盗聴や盗撮などの違法捜査を行っていたという内容です。

 

 

 

当然ながら民主党陣営の一部は反論に躍起になっていますが、メモの公開をめぐって、共和党議員団を乗せた列車がゴミ収集のトラックと衝突する「事故」が発生しているのです。

 

列車に乗っていたのは、その「疑惑のメモ」の公開に賛成していた議員達だったそうです。

 

ただし、この事故では幸いにも死亡した議員がおらず、全員が無事に救助されたそうです。

 

しかし、これはメモの公開を阻止するために仕組まれた工作(暗殺未遂)ではないかとみられています。

 

 

 

ここで押さえておきたいポイントが、このように未だに米大統領選挙をめぐっての権力闘争があるという事と、トランプ米大統領が自らの就任以来の主な業績の一つとして、米国の株式市場が好調であることを繰り返し強調していた事です。

 

 

 

つまり今回のような「過去最大の暴落」が起これば、それは逆にトランプ米大統領の責任問題にされるという事です。

 

 

 

したがって、以前から「民主党陣営の一部がトランプ米大統領を陥れる事を目的に、株の暴落を計画しているようだ」という噂話がありました。

 

今回は、あらゆる指標発表が市場予想よりも好調だったにもかかわらず暴落が起こっていますので、計画が実行に移されたのではないかと言われているのです。

 

 

 

このように相場の世界に「裏」は付き物なのですが、人間社会の事である以上、ある意味「必然」なのかもしれません。

 

また、その人間の「精神性」については昔も今も大きく変わらないのではないかと思います。

 

いつの時代であっても「良い人」もいれば「悪い人」もいるものです。

 

 

 

しかし昔と今で大きく違ってきているのが、AI(人工知能)によるアルゴリズム取引の台頭です。

 

一部の悪意ある人達がこういったものを駆使するからこそ、最近は説明のつかないような値動きばかりが続いているのだと思われます。

 

 

 

結局のところ、私達投資家としては裏話を通じて「相場の本質を知る事」が重要です。

 

相場の本質とは、一言で言いますと「キレイな世界でない、穢い(きたない)世界である」という事です。

 

 

 

そして、プロでも数日間で元金の7割、8割、9割を失ったりするような相場で、短期売買の必勝法なども存在しない以上、戦略としてはやはり「勝つまで耐える」が正解になると思います。

 

 

 

忍耐を要する展開が続いていますが、前を向いて頑張りましょう。