FX会社各社から先週、以下のような内容で注意喚起が出されました。
【重要】シリアや北朝鮮をめぐる地政学リスクへの警戒感に伴う相場変動に関するご注意
すでに報道されております通り、米国によるシリアや北朝鮮への対応をめぐる地政学リスクへの警戒感から、今後の情勢次第では為替相場の急変動が続く可能性、および来週月曜オープン(17日午前7時)時点のレートが今週末クローズレートに対し大きく乖離する可能性がございます。
お客様におかれましては、追加資金のご入金を行っていただく等、口座管理に十分ご注意くださいますようお願いいたします。
さて、そんな中、報道されている通り、16日の早朝に北朝鮮が弾道ミサイルを発射しました。
しかし、ミサイルは発射直後に爆発したようで、失敗だったと報じられています。
今回の背景としては、ペンス米副大統領が日韓など4か国歴訪予定となっており、北朝鮮の核・ミサイル問題への対応や、経済や貿易の課題について各国首脳らと協議する事になっていますが、その事に対しての挑発行為ではないかと推測されています。
さらに、このような状況下で、米国の原子力空母「カールビンソン」やミサイル駆逐艦などで構成する空母打撃群が朝鮮半島近海へ向かって航行していましたが、中国とロシアがそれぞれ海軍の情報収集艦を派遣して米国空母の動向を追尾しているとも報じられています。
米国は北朝鮮への軍事行動も辞さないと言っており、中国とロシアの行動は、米国をけん制する目的だろうと推測されています。
一方で、シリアにおいては、北部アレッポ郊外で15日、自動車爆弾がさく裂し、少なくとも126人が死亡したと報じられています。
相変わらず、シリア情勢も非常に不安定です。
このように、現在、世界の地政学リスクは高まっており、一言でいうと「きな臭い」といった感じです。
昨年はイギリスの国民投票でEU離脱となりましたし、米大統領選挙においても、大方の予想に反してトランプ大統領誕生となりました。
世間が思う「まさか」は起こり得るという事で、今回の地政学リスクに対しても警戒を怠らないようにしたいものです。
こういう状況ですので、相場の世界においても、世界のヘッジファンドの苦境が深まっていると報じられています。
「従来と違う」が頻繁に起こっているからだと思います。
さて、私達投資家としては、今後いったいどうしたらよいのでしょうか?
私はこういう時こそ、基本に立ち返るべきだと思います。
「基本に立ち返る」とは、「大局観に立つ」という事でもあります。
相場の世界では、「週足→日足→時間足」といったように、大きいところから小さい方へ見ていくのが基本とされています。
大きいところから小さい方へ見ていく理由としては、それをしないと自分がどこにいるか分からないからです。
例えば、具体的にドル円で見てみますと、直近10年くらいの動きとして、最安値が75円33銭、最高値が125円85銭です。
その差はなんと、50円もあるわけです。
したがって、「大局観に立つ」で言えば、相場の未来が分からなくても、逆に確実に分かる事があり、私達は「確実に分かる事」に対して戦略的に取り組めば、勝利を掴めるという事でもあります。
それが、「負けなければ勝つ」という事と「値段は動く」という事なのです。
幸いFXは、「買い」でも「売り」でも利益を狙えます。
だからこそ、大局観に立って、「負けなければ勝つ」「値段は動く」という事を肝に銘じてやっていくことで勝利を掴めるわけです。
もちろん、含み損に耐えなければならない状況は必ず生じますが、そのための「資金管理」という事になってくるのです。
地政学リスクが高まっている状況ですが、こういう時こそ、落ち着いて冷静さを失わないようにしなければなりません。
大局観に立って、「負けなければ勝つ」「値段は動く」という事で、戦略的に勝利を掴みましょう。