求めよ、さらば与えられん

 

「さて、どうするか?」

 

「求めよ、さらば与えられん」

 

 

 

私は上記のように、自身に言い聞かせてきました。

 

そして、非常に不可解な値動きが続いている今の相場により適したと思える、基本戦略として採用してもいいだろうという「法則」のようなものが分かってきました。

 

 

 

最近の相場の「おかしさ」については、これまでのコラムでもかなり言及をしてきました。

 

皆さんにはできれば再度、これまでのコラムを読み返していただきたいと思います。

 

 

 

相場の裏側や不正といった事は昔からありますので、これについては特段驚く事でもないのですが、問題は「酷さの程度」にありました。

 

私の感覚としましては、今年に入ってからは特に「酷さの程度が従来の3倍くらいになってきている」ように思っています。

 

 

 

まずは「法則」の説明に入る前に、お伝えしておきたい事があります。

 

 

 

相場の世界には、職業として関わっている「プロ」の人達がおり、10年選手、20年選手、30年選手・・・とキャリアは様々です。

 

ちなみに、私は20年弱この世界に関わっています。

 

私の学生時代からの友人に、今も投資銀行に勤務している友人がいますが、彼も20年弱この世界に関わっています。

 

 

 

そんなプロと呼ばれる人達に、共通する事があります。

 

それは、仮に「ABCDEFG」と7つの相場判断材料があったとします。

 

この場合、AG7つを総合的に判断すると上がる、もしくは下がる」といった判断が一致する、そしてその「根拠」が一致する、という事がよくあるという事です。

 

そのような意味で、共通する事があるというものです。

 

 

 

一方で、「AG」といった複雑なものではなくても、子供でも理解できるような明確な判断材料がある場合もあります。

 

それは、例えば「豊作だったら値下がりする、不作だったら値上がりする」といったようなシンプルな判断材料です。

 

 

 

ところが、前回コラムでも指摘しましたが、銀(シルバー)において、「需要が毎年右肩上がりになってきており、直近の統計で現物不足が確認されているにも関わらず、価格が下げられている」といったケースのように、銀以外にもありとあらゆる相場で「おかしい」事態が発生しているのが今の相場なのです。

 

 

 

そんな現在の相場に対して、前述の友人と意見が一致したのが、「現在の相場は、まるでプロを狙い撃ちしたかのような値動きばかりしている」というものです。

 

私は以前のコラムで「都内の某所で、金融業界の錚々たるメンバーが集まって、シークレットな勉強会が毎週木曜日に行われています」と述べた事がありましたが、メンバーの中には世界的に知られている人や某大手投資銀行の元会長などもいます。

 

しかし、やはり見解は一緒です。

 

 

 

つまり、どこかに「不正」をしている連中がいるはずですが、先日日本の金融市場で一部その尻尾が見えました。

 

それは某大臣が「証券取引等監視委員会が調査しているインサイダー取引事件」に対して、圧力をかけていたという疑惑が出てきている事です。

 

そしてこのような「怪しい」裏側というものが、日本だけではなく世界中至るところで、かつてないほどに広がっているのが現在の相場だという事です。

 

 

 

さらに、前述のように「酷さの程度が従来の3倍くらいになってきている」と私は思っているのですが、その要因として、以下に挙げる事も影響していると思います。

 

 

 

・トランプ氏のような過激な人物が米大統領になった

 

・世界皇帝と呼ばれていたデイヴィッド・ロックフェラー氏が亡くなった事で、世界の「何か(仕組み)」が変わってしまった

 

・アルゴリズム取引(コンピューター売買)の影響力が増大してきている

 

 

 

いずれにせよ、現在の相場は従来の相場とは明らかに様相が違っています。

 

例えば株高にしても、バブルの頃とは違って「熱狂無き株高」ですし、同様に「熱狂無き円安」「熱狂無きドル安」「熱狂無き金(ゴールド)安」・・・といった具合で、ジリジリとおかしな値動きを続けている印象があります。

 

 

 

そして重要なポイントですが、現在はドル安と金安が同時進行しているという、歴史上前代未聞な事が起きている点も見逃せません。

 

長年ドルと金は「片一方が強くなれば、もう片一方が弱くなる」というシーソーのような関係にありました。

 

そういった従来の根本さえ、今は崩れてしまっているのです。

 

これは、先週のコラムで指摘した「金利上昇と株価上昇の同時進行という、本来起こり得ない事が現在起こっている」についても同様です。

 

 

 

さて、このような事情を十分に踏まえた上で、冒頭の【今の相場により適したと思える、基本戦略として採用してもいいだろうという「法則」のようなもの】について説明したいと思います。

 

 

 

ただし、私は正直なところ、前述の「AG7つを総合的に判断すると上がる、もしくは下がる」といった相場判断材料に対して、それを無視したかのような値動きで儲けていく事に、あまり気持ちの良い感じがしません。

 

理由としましては、不自然な感じがするからです。

 

しかし、現在の相場が「おかしい」上に、今後も「おかしい」が継続するように思われる以上、それに対処するしかないのです。

 

 

 

その対処については、実は本手法でも可能です。

 

従来通りにやっていても最終的には勝つのが理由ですが、できれば少しでも「含み損の期間」は短くし、そして少しでも「効率よく」したいところです。

 

 

 

そのためには、一点だけ変更を加えます。

 

それは、最重要視するトレンドを「週足」から「日足」に変更する事です。

 

ただし、保有するポジション量を算出するための「±3σ」については、従来通り「週足」に従います。

 

この変更によって、今後は少しでも「含み損の期間」を短くし、そして、少しでも「効率よく」が実現できると思います。

 

近々大幅な相場の修正があってもおかしくないですので、修正後のタイミングでもよいですし、各自が可能なタイミングで、最重要視するトレンドを「週足」から「日足」に切り替えていただければと思います。

 

前述のように、現在の相場は従来の相場とは明らかに様相が違っていますが、この変更を加えることによって、現在の相場に、よりマッチしやすくなると思います。

 

 

 

本来、相場の基本としましては、4月のコラムでも取り上げたように、「週足→日足→時間足」といったように、大きいところから小さい方へ見ていくのが基本とされていました。

 

大きいところから小さい方へ見ていく理由としては、それをしないと自分がどこにいるか分からないからという事ですが、現在の相場は従来の相場とは明らかに様相が違っているという事で、最重要視するトレンドを「週足」から「日足」に変更する事を提案している次第です。

 

 

 

さて、私が本コラムを書き始めて、今回が83回目となります。

 

そんな本コラムの初回である第1回目に、私が語った事は以下のような事です。

 

 

 

【「米国屈指の名門ハーバード大学やイェール大学は、実は世界でもっとも先進的な機関投資家だった!」という帯で、販売されている書籍があります。「エンダウメント投資戦略」という書籍です。こちらの書籍で語られているのは「時間を味方につける」事の重要性です。決算期等で、常に時間的な縛りがあるなかで結果を出さなければならないというプレッシャーを味わっているのがプロの現実です。私もかつてはこのプレッシャーと戦っていたから分かりますが、「個人には決算期がないから羨ましい」というのがプロの本音なのです。このプロが「羨ましい」と感じる「時間」を味方につけない手はありません。】

 

 

 

上記からも言えますが、究極的には「負けなければ勝つ」というのが相場の揺るぎない真実です。

 

ですので、シンプルにこれだけを追求するのでもOKなのです。

 

だからこそ、「時間を味方につける」という話があるわけで、これを徹底した結果として、ハーバード大学やイェール大学が世界でもっとも先進的な機関投資家であるという評価に至っているのです。

 

 

 

ぜひ、皆さんも、再度このポイントだけは忘れずに、しっかりと認識をした上で取り組んでいただければと思います。

 

 

 

そして、もし困難な局面に遭遇しても「さて、どうするか?」「求めよ、さらば与えられん」の精神が大事です。

 

今後もしっかり前を向いて頑張っていきましょう。