気象と相場

 

「株」について書かれた本ではありますが、相場の本質について的確に書かれているなと思われる本があります。

 

 

 

『株は「ゲリラ豪雨」で買い、「平均気温」で儲ける!』(株式会社ビジネス社)という本で、気象予報士の森和夫さんが書いた本です。

 

 

 

森さんは昔から株をやっているそうですが、最初の頃は全然上手くいかなかったそうです。

 

ところがある時、「気象(天気)と相場は似ている!」と気付き、そこから上手くいくようになったと言います。

 

 

 

そして気象(天気)と相場の共通点がカオス(混沌)だと言います。

 

カオス(混沌)の特徴は、以下の通りです。

 

 

 

・ランダムに動く

 

・突然、極端な現象が起こる

 

・長い目で見ると、平均回帰する

 

 

 

私はかねてから今の相場は「異常」だと思っており、世界各地で起きている異常気象と今の相場の「異常さ」が妙にリンクしていると思っていました。

 

 

 

例えば今年の異常気象や地震について思いつくまま振り返ってみますと、以下のような事がありました。

 

 

 

・京都で観測史上初の1週間連続38度超え

 

・福岡・山口でも観測史上1位の高温

 

・アメリカのカルフォルニア州で50度超え

 

・大阪で史上初の震度6弱の地震

 

・西日本豪雨で観測史上最大の雨量、岡山・広島・愛媛で甚大な被害が発生

 

・台風12号が「東から西」に横断するという異例のコース

 

・台風21号で、関西国際空港が大規模冠水

 

・北海道で史上初の震度7の地震、全域停電

 

 

 

改めて、「一体どうなっているのか?」と思わずにはいられない「異常ぶり」ですが、相場においても「異常」があると認識するところからスタートしましょう、という主旨の事を森さんは言われています。

 

 

 

例えば「にわか雨」があっても日常の気象に戻る、台風があっても過ぎ去った後には日常の気象に戻る、といったようなものと同じようなものとして「相場」を捉える事ができるかどうかが「成功の鍵」だと言います。

 

 

 

森さんはある時、「資産形成」「儲ける」というのが、いったい何のためか、どれくらいのスパンで考えるべきなのか、と思って考えてみたところ、非常に漠然としている事に思い至ったそうです。

 

そしてその結果、たどり着いた結論が「やり続ける(売らない)」になったと言います。

 

要するに、資産は大きくなればなるほど理想なので「やり続ける」、必要になった時だけ「換金する」という結論になったそうです。

 

 

 

ちなみにテレビなどの天気予報で「気温は平年並み」といった時、その「平均値(平年値)」は「過去30年の平均をとった値」だそうです。

 

だからこそ、森さんは相場においても「目先の動きに一喜一憂せずに、長い目で意識して取り組みましょう」と言います。

 

 

 

このように、森さんは「気象(天気)と相場は似ている!」と気付き、そこから上手くいくようになったという事ですが、リーマンショックの時には一気に資産が半減したそうです。

 

しかしそれでも天気予報のように「平均回帰する」との考えがあったため、「ピンチはチャンス」と考え、ここで買い増し、結果的に成功だったと言います。

 

 

 

「我慢が8割、チャンスが2割」と森さんは言います。

 

たしかに、これが「相場の本質」かもしれません。

 

そして「我慢」の時期に、「今、世の中がどうなっているのか」という事を調べ、考えるようにしていきましょう、と言います。

 

 

 

もし今の異常気象や地震が今後も継続し、これらが相場とリンクしていくと考えるならば、今後も相場は不可解な展開が続くかもしれません。

 

 

 

しかしだからこそ「ドンと構える」「根気強く」というのが、成功の鍵になるように思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。