今年2月の初め頃、ドル円は117円台でした。
そして、この時に私はコラムで以下のようにお伝えしていました。
【1ドル=104円・・・・・シナリオ1
1ドル=93円・・・・・シナリオ2
上記は現在、市場関係者の間で話題になっている「日銀内部資料」に記載されたシナリオになります】
11月になった今、シナリオ1がすでに達成された事が分かります。
今回この事を取り上げたのも、日銀から【第二弾】の情報が入ってきたからです。
そして、この【第二弾】が前回同様、市場関係者に衝撃をもたらしています。
【第二弾】では、「米国の金利上昇が始まると、世界同時株安のリスクが高まる」としています。
そんな中、現在米長期金利が上昇をしています。
報道の通り、米大統領選でのトランプ氏当選がきっかけとなったのですが、開票前は1.8%だった米長期金利が現在2.3%台まで急騰しています。
今回も日銀の分析結果が正しいとすれば、現在は「世界同時株安へのリスクが高まっている」最中だという事になります。
では、今回の【第二弾】のシナリオがどうなっているのかを見てみましょう。
・日経平均株価の13,000円割れ、1ドル100円程度・・・・・シナリオ1’
・【リーマンショック級の出来事が起こった場合】
2017年に1ドル80円、2018年に1ドル78円、日経平均株価の10,000円割れ・・・シナリオ2’
現在はリーマンショック級の出来事がまだ起こっていませんので、米国の金利上昇によって世界同時株安へのリスクが高まっている上記シナリオ1’の展開になっているように見えます。
ちなみに、リーマンショックとは、米投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻したことで、世界的金融危機が誘発されたものです。
負債総額64兆円という史上最大の倒産劇でもあったわけですが、これだけの負債を抱える事になった原因がサブプライム住宅ローンです。
そんな中、先日フィナンシャルタイムズで報じられたのが、「大手サブプライム住宅ローン会社の株価が1日に40%も下落した」というニュースです。
第二のリーマンショックを連想させる不気味なニュースだと思います。
もし、第二のリーマンショック級の出来事が起こった場合、シナリオ2’も想定しておく必要があります。
しかし、プロと呼ばれる投資家達の中にはドル高信者も数多くいます。
私も中長期で買える通貨は「ドル」と「円」のみ、と思っています。
中長期的には「ドル」に対して「円」以外の他通貨を売る、「円」に対して「ドル」以外の他通貨を売る、というスタンスが良いだろうと思っています。
現在は、先週のコラムで紹介したような【ゴールドマン・サックスは、トランプ大統領の誕生で、ドル高になるといいます。そして、その事が、中国の元安を招く】の展開となっていますが、もし「シナリオ1’」や「シナリオ2’」になった場合は、円高を想定しておく必要があります。
皆さんも参考にしてみてください。