拍子抜けと確信

 

「拍子抜け」と「確信」という事でお話をしたいと思います。

 

 

 

実はこの1ヵ月、ビットコインFXを実験的に運用していました。

 

「どんなものなのか」を知るためでもあります。

 

運用については本手法の「赤」「青」「黄」といった「色」を見て、完全にFX(為替)と同じスタンスで運用をしました。

 

「買いポジション」や「売りポジション」を持ったり、あるいは「両方のポジション」を持ったりしながら、機械的にやっていきました。

 

 

 

そして1ヵ月運用した結果は、利益金が元金の21%で、含み損はあるものの、依然としてトータルプラスで推移しております。

 

 

 

ビットコインFX自体が誕生して間もないからでしょうか、「テクニカル分析に対して比較的素直な値動きをする」と聞いてはいましたが、実際にやってみてそれを実感することができました。

 

 

 

まさに「拍子抜け」するくらい順当だったのですが、それと同時に最近の「FX(為替)」や「金・銀」がいかにインチキにまみれているかを心底「確信」することができました。

 

 

 

ビットコインは昨年、約12万円でスタートし、一時約223万円の高値を付けるまでに上昇しました。

 

この値動きの事を知っていましたので、「最近はFX(為替)も金・銀も全然動かないけど、ビットコインも全然動かないな」などと思っていたのですが、蓋を開けてみれば、結果は前述のように利益金が元金の21%で、含み損はあるものの、依然としてトータルプラスで推移しています。

 

 

 

「いったい、この違いは何なのか」という事で、値動きを調べてみましたら、以下のような違いがみられました。

 

 

 

 

 

20185月の値動き】

 

 

 

・ビットコイン(高値1078170円、安値765047円、高値と安値の差が29.0%

 

 

 

・ドル円(高値111.40円、安値108.11円、高値と安値の差が3.0%

 

 

 

・ユーロ円(高値132.13円、安値124.62円、高値と安値の差が5.7%

 

 

 

・金(高値1325.8ドル、安値1282.0ドル、高値と安値の差が3.3%

 

・銀(高値16.82ドル、安値16.04ドル、高値と安値の差が4.6%

 

 

 

 

 

さて上記のように比較をしますと、その値動きの差は歴然としています。

 

昨年と比べたら動いていないとは言え、圧倒的にビットコインの方が動いています。

 

やはり「動かないことには始まらない」わけです。

 

 

 

では、いったい最近のFX(為替)や金・銀はどうなっているのかといった時に、特に昨年あたりから「専門家も疑問を抱く」という値動きが頻繁に起きています。

 

「上がって当然の場面で下がる」「下がって当然の場面で上がる」「動いて当然の場面で動かない」といった事が頻繁に起きています。

 

以前のコラムで「都内の某所で、金融業界の錚々たるメンバーが集まって、シークレットな勉強会が毎週木曜日に行われています」と言ったことがありますが、そういった方達でも「値動きが訳分からなさ過ぎて、頭がおかしくなりそう」と言っているそうです。

 

 

 

要因は色々と考えられますが、以前のコラムでご紹介した事のある副島隆彦さんの新刊本「迫りくる大暴落と戦争刺激経済(徳間書店)」で、的確な指摘がなされていました。

 

副島隆彦さんといえば、「次の大統領はトランプで決まり!」と米大統領選の半年前に公言し、「リーマン・ブラザーズは破綻する」と本に書いたら、2週間後にリーマン・ショックが起こったという事で、世間で一目置かれている方です。

 

 

 

新刊本で、その副島隆彦さんと現役のファンド・マネージャーの方が対談しているコーナーがあるのですが、ファンド・マネージャーの方が「不正をしてでも価格を動かそうという連中と、そんなことは許さないという連中の闘いになっている」といったような指摘をしていました。

 

 

 

このような背景のある中で、AI(人工知能)の参戦も加わっていますから、「専門家も疑問を抱く」という値動きが頻繁に起きているのだと思われます。

 

特にAIについては、昨年がAI投資元年と位置付けられていますが、相場における不可解な値動きが急増してきたのも昨年からですし、間違いなくAIも不可解な値動きの要因になっていると思われます。

 

 

 

これに対して、前述のようにビットコインが「テクニカル分析に対して比較的素直な値動きをする」というのも、マーケットが誕生して間もないからだと思われます。

 

 

 

「不正をしてでも価格を動かそうという連中」としては、すでに大きくなっているマーケット(株、為替、金・銀など)で稼ごう、ということなのでしょう。

 

 

 

「では、どうするか?」といった時に、私は以下のように考えます。

 

 

 

・豊作で値上がり、不作で値下がり、といったような不自然な展開がいつまでも続くわけがない。いつか臨界点に達し、自然の状態に回帰すると考えて、耐えるべき場面を耐える。

 

 

 

・運用の選択肢の中に「ビットコインFX」も含めておくと良いのではないか。

 

 

 

 

 

上記の「いつか臨界点に達し、自然の状態に回帰する」については、中長期の相場観として「円高」「ドル高」「金・銀高」を意識しておくべきだと考えます。

 

 

 

特にユーロについては、世界有数の巨大資本を持つイタリアのメガバンク「ウニクレディト」が「ユーロが崩壊する懸念がある」と言ったのが6年前で、その時のユーロ円は最安値の94.11円を付けていました。

 

したがって、専門家であれば誰でもユーロの危険性を認識していたといっても過言ではなかったのですが、問題を抱えているはずのユーロが昨年は最も買われた通貨となっており、今年の2月には137.50円を付けるまで上昇したのです。

 

これぞ、まさに「不自然」だと思います。

 

 

 

ところが、先週ユーロの急落がありました。

 

イタリアの政治不安が「きっかけ」となった展開でしたが、「イタリアGDP16%がマフィア経済と言われ、その影響力はイタリア全土に及んでいる」「週に1000ユーロ以上の現金は引き出せない。高額の移動を必要とする場合はしかるべき書類への記入が必要となる」と報じられていたのも6年前です。

 

イタリア以外の国々でも様々な問題を抱えていますし、それらが根本的には何も改善されていない状況下で、ユーロは近年「買い」が先行していたわけです。

 

やはり、不自然だと思います。

 

 

 

しかし、先週のユーロ急落は「ニュース」と「値動き」の一致という事で、久しぶりに見られた自然な値動きです。

 

まだまだ予断を許さないと思いますが、「ニュース」と「値動き」の一致は一歩前進ではないかと思います。

 

 

 

このような形で、相場の全体像を見ていきますと、これからの時代は「忍耐」と「選択肢」が重要なキーワードになってくるように思います。

 

 

これらの話を今後は意識して取り組んでいただければ幸いです。