南北首脳会談

 

南北首脳会談が行われ、両国の約70年に及ぶ戦争状態を年内に終結させることで合意がなされました。

 

そして朝鮮半島の「完全な非核化」を目指すことになりました。

 

北朝鮮の指導者として韓国の地を踏んだのは金委員長が初めてで、両首脳は抱擁をかわし、文大統領は今年秋に平壌を訪問することになりました。

 

今回は歴史的な「板門店宣言」だったと言われています。

 

 

 

昨年北朝鮮は、核実験とミサイル試射を繰り返しましたが、今年に入ると朝鮮半島では急速に緊張緩和ムードが広がりました。

 

今回の南北合意を受けて、トランプ米大統領と金委員長の間の初の米朝首脳会談も近く実現するとみられています。

 

 

 

さてこのように報道を見ていますと、朝鮮半島は確実に平和に向かって進んでいるように思えます。

 

北朝鮮問題に限らず、世界のあらゆる紛争・戦争は軍需産業を潤すための出来レースというのが実際のところだと思いますが、アメリカは中東紛争に移行したように見えますし、そういう意味でも、北朝鮮問題が解決に向かっているように思えます。

 

 

 

北朝鮮問題の解決は、相場的な観点では円安ドル高、株高に繋がるとみられています。

 

したがって、今後は「円安ドル高、株高」の流れになるのかと思われるところですが、今回の南北首脳会談の報道を受けてもなお「実際の米軍爆撃までは信じられないかもしれないが、米軍の北朝鮮の爆撃はある」と言う専門家もいます。

 

 

 

そこで、最近のトランプ米大統領の発言を整理してみたいと思います。

 

 

 

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北朝鮮情勢の解決にはまだ長い道のりがある。うまくいくかもしれないが、いかないかもしれない。時がたてば分かるだろう。

 

 

 

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金正恩氏との会談は実現しない可能性もある。

 

 

 

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北朝鮮情勢は良いことが起きているが、時間が経たないと分からない。

 

 

 

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朝鮮戦争は終結する。

 

 

 

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北朝鮮の非核化が実現するまで「最大限の圧力」を続ける。

 

 

 

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金正恩氏との会談の開催候補地を2カ国に絞った。

 

 

 

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米朝首脳会談は34週以内にあると思う

 

 

 

 

 

上記のトランプ米大統領の発言では、たしかに北朝鮮情勢が良くなっていることは分かりますが、本当に「解決」するのかは疑問です。

 

そして「米軍の北朝鮮の爆撃」についても、無いとは断言できないと思います。

 

 

 

少し踏み込んでこの問題を考えてみますと、先月アメリカではマクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が解任されました。

 

なぜ解任されたのかですが、専門家によると「韓国の鄭義溶(チャン・ウィヨン)国家安全保障室長とマクマスター氏の仲が良かったから」だそうです。

 

これは要するに、両者の仲が良いことによって北朝鮮爆撃をさせない動きに繋がり、そのことにトランプ米大統領が気づいたから、という事のようです。

 

 

 

ここでマクマスター氏の後任として選ばれたのがジョン・ボルトン氏で、「悪魔の化身」と呼ばれる人物です。

 

ボルトン氏が「悪魔の化身」と呼ばれる理由は、中東を大混乱に陥れたイラク戦争を正当化し、現在ではイランや北朝鮮への先制攻撃を主張しているからのようです。

 

 

 

一方で、先月アメリカではティラーソン国務長官も解任され、後任としてマイク・ポンペオ氏が選ばれましたが、過去にテロ容疑者への拷問容認発言などもあり、北朝鮮問題に関してもボルトン氏と同様で「核ミサイル開発が完了する前に、先制攻撃しなければならない」と語っています。

 

 

 

このような2人が、アメリカの安全保障政策と外交のトップに就任しているという事実を私達は意識しておく必要があると思います。

 

 

 

そしてもうひとつ把握しておくべき事が、朝鮮国連軍の存在です。

 

これは1950年の朝鮮戦争で創設された多国籍軍で、今でも横田基地(東京都の多摩中部)には朝鮮国連軍が駐在しています。

 

 

 

このような中、国連には国連憲章があり、第7章には「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」があります。

 

この第7章に、現在の北朝鮮核兵器問題が該当すると考えられます。

 

したがって軍事行動も辞さないという意味なのか、前述の横田基地に今夏、オスプレイ5機が配備されることになりました。

 

 

 

さらに一部で報じられていますが、米海軍の病院船MERCY(マーシー)が6月に東京港に寄港します。

 

この病院船は重篤患者用ベッド80床を含む1000床のベッドを持っており、12の手術室や集中治療室、遺体安置所も完備しています。

 

この病院船が東京港に寄港する理由は、朝鮮半島有事を想定しているからではないかとみられています。

 

 

 

このように全体像を見ますと、一見朝鮮半島は平和に向かって進んでいるように思われますが、そうではない側面も見えてきます。

 

つまり、油断禁物です。

 

 

 

という事は、相場も必ずしも「円安ドル高、株高」ではなく、これから二転三転する可能性が十分にあるという事です。

 

したがって、含み益でも楽観し過ぎず、含み損でも悲観し過ぎずというスタンスで取り組むべきだと思います。

 

 

 

引き続き頑張りましょう。