北朝鮮

 

「北朝鮮がミサイルを発射したのに、なぜ円高になるのか?」

 

 

 

先週は、この疑問を耳にする事が何度もありました。

 

そして昨日、北朝鮮は6回目の核実験を実施しました。

 

しかし、ミサイル発射時と同様、為替は円高で反応しています。

 

そういうわけで、今回はこの事について触れてみたいと思います。

 

 

 

報道されたように、先週の火曜日に北朝鮮がミサイルを発射し、ミサイルは北海道上空を通過し、襟裳岬の東約1180キロメートルの太平洋上に落下しました。

 

この報道を受け、ドル円相場は一時108.26円まで円高進行となりました。

 

その後は110円台まで戻しましたが、昨日の核実験実施を受けて、現在は109円台まで円高が進行しています。

 

 

 

ここで普通の感覚としては、「危機にさらされている日本の通貨がなぜ買われるのか」といった疑問が出てくるようです。

 

 

 

実は過去を振り返りますと、阪神淡路大震災や東日本大震災が発生した際にも円高が進んでいます。

 

阪神淡路大震災の際には79.75円まで円高が進行し、東日本大震災の際には、なんと76.51円まで円高が進行しています。

 

 

 

このような「日本の危機」と思われる局面で円高が進行する事に対して、ある意味疑問が出てきて当然だと思いますが、専門家の説明では毎回「レパトリ」であると言われます。

 

「レパトリ」を簡単に説明しますと、日本の政府や企業などが「これまでに貯め込んできた海外資産」を売却して、日本円に戻す動きの事をいいます。

 

つまり、「レパトリ」によって円高になるという事になりますが、背景には「日本の対外純資産が世界一」という事があります。

 

ちなみに、日本は26年連続で世界一となっており、海外に膨大な資産を保有しているのです。

 

このように、日本の膨大な対外純資産のたとえ一部でも日本円に替わる動きは「無視できないほど大きい」という事で、円高になるようです。

 

 

 

そうすると、「日本は借金まみれで破綻する」などという、世間の一部で言われている話は「膨大な対外純資産」の存在を無視した「片手落ち」の話である事が分かります。

 

逆に、海外から見ると「日本は26年連続で対外純資産が世界一」と認識されており、だからこそ「安全資産の円」と言われるのです。

 

 

 

したがって、米大統領選でトランプ氏が勝利した201611月以降、そんな「安全資産の円」が「2か月間も一方的に売られ続ける展開」が2度もありましたが、こういった値動きの方がよほど不可解だと言えます。

 

その「不可解」の原因を探っていきますと、背景にはVIX(恐怖指数)の不正操作がありました。

 

「不正操作」は本当に取り締まってほしいと切に願う次第です。

 

 

 

ちなみに「安全資産の円」については、「ヘッジファンドの帝王」と呼ばれるレイ・ダリオ氏も「安全資産の日本円を買え」と言っているくらい、高い評価がなされています。

 

 

 

さて、北朝鮮問題もそうなのですが、「戦争や紛争、テロは絶対になくならないって思い知らされた」という感想を抱く人もいる映画で、「ロード・オブ・ウォー」という映画があります。

 

複数の武器商人への取材を元に作られた映画で、俳優のニコラス・ケイジが主演の映画です。

 

これは映画ではありますが、現実世界と大きな違いはないと思います。

 

 

 

また、年に一回「世界の軍事企業売上高ランキング」なるものが発表されていますが、世界には「大手」と言われる軍事企業が100社以上もあります。

 

 

 

こういった背景を考えますと、北朝鮮問題も「裏」があると思われます。

 

 

 

先日、日本の小野寺防衛相は、「日米双方にとって北朝鮮が脅威になっている」「防衛態勢と能力の向上に取組む方向で日米双方の意見が一致した」と説明し、陸上配備型の新型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入を目指す方針だと言っていました。

 

その額、なんと21600億円です。

 

 

 

ところが、北朝鮮政権内部に詳しい専門家筋によりますと、「日本と北朝鮮とは、深層人脈では通じており、日本政府から北朝鮮政府に、弾道ミサイルをグアムに発射するのではなく、日本列島北海道に向けて発射して欲しいと頼んだ」という話もあるそうです。

 

北朝鮮に危機を演出してもらい、「イージス・アショア」の導入を日本国民に納得させようとする「演出」を金正恩委員長の協力を得て仕組んだというのが真相のようだ、という話のようです。

 

 

 

私は「あり得そうな話だな」と思います。

 

今回の核実験でも、何かしらの「裏」がありそうです。

 

 

 

また、英紙エクスプレスが興味深い記事を掲載しています。

 

昨年7月に韓国に亡命した元北朝鮮駐英公使によると、戦争が始まったら金正恩ほか数名がプライベートジェット機で中国に行き、中国から戦争を指揮する体制になっているそうです。

 

 

 

要するに、こういった「地政学リスク」には常に「裏」があり、相場はそんな「裏」の影響を受けるものである、という事です。

 

一筋縄ではいかないわけです。

 

 

 

 

 

さらに、北朝鮮の傀儡企業が「相場で大儲けしている」という噂もあります。

 

ミサイル発射も核実験のタイミングも、「自分で仕掛けているから、いつ起きるかが分かる」という事で、気づかれないように傀儡企業を使って相場で大儲けしているとの噂です。

 

 

 

したがって、このような「裏」だらけの相場の世界において、以前のコラムで書籍「プライベートバンカー」の話をした事がありましたが、「あえて臆病に運用する」という事がこの世界を生き残るコツになります。