動かない

 

「相場が動かない」と言われています。

 

「底堅いが上値も重い」と指摘される事もありますが、要するに「相場が動かない」という意味です。

 

私の印象としましては「今年これまでの値動きは『荒れた1日』に相当するかどうか」といった印象です。

 

 

 

ここで、もう少し「踏み込んで」見ていきたいと思います。

 

ドル円、ユーロ円、ポンド円と見ていきます。

 

 

 

2017.1.12017.10.9までの値動き】

 

ドル円:  始値117.26円 終値112.66円 始値と終値の差4.60

 

ユーロ円: 始値122.74円 終値132.25円 始値と終値の差9.51

 

ポンド円: 始値143.98円 終値148.02円 始値と終値の差4.04

 

 

 

2016.6.24の値動き】(ブレグジット、イギリスがEU離脱を決めた日)

 

ドル円:   始値106.11円 終値102.11円 始値と終値の差4.00

 

ユーロ円: 始値120.82円 終値113.47円 始値と終値の差7.35

 

ポンド円: 始値157.69円 終値139.61円 始値と終値の差18.08

 

 

 

両者を比較すると分かりやすいですが、今年これまでの値動きは『荒れた1日』程度のものなのです。

 

ポンド円については、ブレグジットのあった昨年624日の方が数倍大きな値動きとなっています。

 

 

 

これらの事から以下のような事が言えます。

 

100日かけても200日かけても、荒れた1日程度の値動きにしかならない場合がある

 

1日の値動きが100日分や200日分の値動きに相当する場合がある

 

 

 

結局「相場は生き物」と言われますが、「動かない時」もあれば「極端に動く時」もあるという事です。

 

残念ながら今年は前者がメインとなっており、「相場が動かない」という話に繋がっているわけです。

 

 

 

「相場が動かない」を生み出している要因は、前回コラムでも指摘をしたように、AIの影響が大きいと思います。

 

先週は米国ラスベガスで59人が死亡、約530人が負傷する米国史上最悪の銃乱射事件がありましたが、相場の反応としましては「銃器関連株が買われる」以外には、何事も無かったかのような反応でした。

 

従来の感覚で捉えますと、「おかしい」と言えます。

 

 

 

しかし「相場が動かない」とはいえ、物事には原理原則があります。

 

「豊作だったら値下がりし、不作だったら値上がりする」といったような原理原則です。

 

今年に入ってからは特に、そういった原理原則を無視したような展開がずっと続いていますが、「いつまでもこんな展開が続くはずがない」と私は思います。

 

 

 

ここで、「少し変わった角度」からの話をご紹介したいと思います。

 

 

 

相場の世界には「金融占星術(アストロロジー)」といって、天体の位置関係から相場を予想する、というものがあります。

 

モルガン財閥の創始者で金融王のJPモルガンが活用していたという事で、今でも一定数の投資家達が金融占星術を支持しています。

 

しかし金融占星術については、私は日頃意識をしていませんので、ある意味似たような話として、今回は「世界一当たる予言者」とも言われるクレイグ・ハミルトン・パーカー氏の予言を紹介したいと思います。

 

パーカー氏はイギリスの予言者で、完全な的中ではないものの「大筋で非常によく当たる」という事で世界的に有名になっているようです。

 

このパーカー氏の予言をいくつかご紹介します。

 

 

 

1、欧州の至る所でデモや暴動が多発する

 

2、欧州経済が悪化する

 

3、2018年にイタリア経済が破たんする

 

4、イタリアとデンマークでEU離脱の動きが起こる

 

5、2018年にユーロの暴落が起こる

 

6、ユーロが暴落するとポンドが買われるようになる

 

7、20182月にドルが大きく下落するが、アメリカ経済は悪くないので持ち直す

 

 

 

上記のように、欧州経済の悪化やユーロの暴落を予言しているようです。

 

しかし、これらについては何年も前から多くの書籍等でも指摘されています。

 

以下のようなタイトルの書籍が非常にたくさん出版されています。

 

 

 

「ユーロから始まる世界経済の大崩壊」「ユーロ崩壊」「ユーロ恐慌」「欧州壊滅 世界急変」「本当にヤバイ欧州経済」「欧州複合危機」「欧州危機と反グローバリズム」「欧州絶望の現場を歩く」・・・・・

 

 

 

最近も「スペインのカタルーニャが独立に向けた住民投票を行い、独立賛成が9割になった、警察と衝突で844人が負傷した」という事がありましたし、今は「独立宣言か」と騒がれています。

 

しかも、欧州で独立運動が起こっている地域はカタルーニャだけではありません。

 

同じくスペインから独立したいバスク地方、イギリスから独立したいスコットランド、イタリアから独立したいヴェネト州などの北部地域、フランスから独立したいコルシカ島、オランダから独立したいフランドルなど、たくさん挙げられます。

 

 

 

さらに、依然としてテロのリスクもあります。

 

先日もフランスのマルセイユでテロ事件があったところです。

 

 

 

私はこのように日頃から細かく情報を拾っていますが、やはり欧州については上記書籍のような見解で「ユーロは下落する」との結論になります。

 

 

 

しかし今年は、そんなユーロが一番買われています。

 

私に限らず、多くの投資家が「今年も相場はおかしい」と指摘する背景には、この「ユーロ高」が挙げられると思います。

 

 

 

しかし、前述のように「いつまでもこんな展開が続くはずがない」という事で、「ユーロの暴落予言」まで出ている事を皆さんにも知っておいていただきたいと思います。

 

今は「買い優勢」となっていますが、近い将来「ユーロ暴落」が起こると、ようやく相場が正常に戻っていくのかもしれません。