何でもあり

 

【ポンド価格「つり上げろ」、上司が命令―HSBC元トレーダーが証言】

 

 

 

今月初め頃、ブルームバーグで上記のような報道がありました。

 

内容としては、HSBC元トレーダーが当時の上司に「ポンド相場を強引に押し上げるよう求められた」との事で、相場を人為的につり上げ利益を得たという話です。

 

要するに不正操作があったという事です。

 

 

 

ちなみに先月終わり頃のコラムで、私は以下のような事を言いました。

 

 

 

『最近「ポンドはどうなのでしょうか?」と聞かれた事があったのですが、ロンドン地下鉄で爆発テロ事件があった週に最も買われた通貨がポンドとなっており、「このように不可解な値動きをするのが最近の相場の特徴なので、今すぐこのように値段が動くとは言えないが、長期にわたって買われ続けるという事はないのではないか」と答えました。

 

さらに付け加えますと、日本が対外純資産で世界一なのに対して、イギリスは対外純資産で約12兆円の「負債」となっており、先日もムーディーズが信用格付けを引き下げたところです。

 

したがって、「ロンドン地下鉄で爆発テロ事件があった週に最も買われた通貨がポンド」という事が余計に不可解に思われます。』

 

 

 

ここで、改めて皆さんにお伝えしたいのが「相場の世界はインチキで溢れている」という事です。

 

上記のように報道になるのは「氷山の一角」であって、報道されないところでも多くの「インチキ」が行われています。

 

 

 

ちなみに、日本の金融商品取引法は「公正な価格形成を阻害する」という理由で、相場操縦行為を禁止しています。

 

もちろんこれは世界共通で、米国でも欧州でも相場操縦行為は禁止されていますし、違反した場合は刑事罰の対象となります。

 

 

 

ところが、相場操縦行為を白昼堂々と行い、何も罰せられないのが日銀などの公的機関です。

 

現在、日本の上場企業の約4分の1において、日銀が大株主となっています。

 

2008年にノーベル経済学賞を受賞した米国のクルーグマン教授は「日本は社会主義国だ」と指摘しています。

 

社会主義国という事は、政府によって相場がどのようにでも操作され得るという事です。

 

中国と変わらない、というわけです。

 

 

 

先日日経平均は57年ぶりの14連騰、史上初の16連騰となって、17連騰にはなりませんでしたが、17連騰にならなかった理由が『午後2時を過ぎても日銀の「買い」がなかったから』というものでした。

 

このように、日本の株式市場は日銀によって操作されています。

 

そして、このような日銀によって操作された株価が為替にも影響を与えているのです。

 

円高も円安も日銀に左右される、というわけです。

 

 

 

さらに、東京新聞が最近報じていましたが、私達の年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、国内外問わず、世界中で軍需企業の株を大量購入しているようです。

 

武器製造で収益を上げる軍需企業を私達の年金が買い支える構図になっており、倫理上許されないだろうと指摘されています。

 

 

 

昔、何かのドラマで「普通の質が下がってきている」という台詞がありましたが、昨今の相場を取り巻く環境やその背後に注目しますと、まさにその通りだと思えてきます。

 

「何でもあり」になってきているからです。

 

 

 

私達投資家は相場に参加する限り、そんな「何でもあり」にどうしても巻き込まれてしまいますが、巻き込まれながらも利益を得るには、やはり「勝つまで耐える、勝ってから利益確定」に尽きると思います。

 

根気強くやっていきましょう。