今回は「人口」をテーマに考察してみたいと思います。
私はこの問題について、子供の頃から不思議と興味がありました。
「住みやすいかどうかは別として、人口が多いという事は都市化が進んでいるという事で、要するにそれだけ都会だと言えるのではないか?」などと思いながら、小学生の頃、日本の都市人口ランキングを暗記していました。
ちなみに、現在(100万人都市)は以下のようになっています。
1位:東京23区 951万人
2位:横浜市 373万人
3位:大阪市 272万人
4位:名古屋市 231万人
5位:札幌市 195万人
6位:福岡市 157万人
7位:神戸市 153万人
8位:川崎市 151万人
9位:京都市 147万人
10位:さいたま市 129万人
11位:広島市 120万人
12位:仙台市 108万人
私が子供の頃と比較しても大きくは変わっていませんが、福岡市、川崎市、仙台市が伸びてきており、福岡県の北九州市は減少に転じています。(109万人 ⇒ 95万人)
また、さいたま市も浦和市、大宮市、与野市、岩槻市の合併によって人口が伸びています。
さて人口といえば、2018年現在の世界人口は76億人となっています。
これは驚異的です。
私が子供の頃は50億人と習っていましたので、その当時の約1.5倍、26億人も増えている事になります。
このように人口について考察する事、その学問を「人口学」といいますが、人口学(人口データ)は経済学の中で「最もきちんと当たる予想」と言われています。
人が生きる以上は必ず「消費」をしますので、人口の多さは「消費の多さ」「需要の多さ」に繋がるからです。
日本は2009年の1億2806万人をピークに人口減少に転じていますが、それでも依然として1億2653万人(平成30年4月)もの人口を抱えている、という見方もできます。
「シャルマの未来予測 これから成長する国 沈む国」(東洋経済新報社)というタイトルの新刊本も話題になっています。
著者はモルガン・スタンレーのチーフ・グローバル・ストラテジストで、BRICs(ブリックス:ブラジル・ロシア・インド・中国)やVISTA(ビスタ:ベトナム・インドネシア・南アフリカ共和国・トルコ・アルゼンチン)の台頭を予見したカリスマとして有名な方です。
本書の「成長する国 沈む国」という点については、やはり「人口問題」について考察されています。
ただしこの本では、地政学問題等の他の要素も考慮して、未来予測がなされています。
このような中、直近ではドル高が進んでいます。
世間では、よくアメリカ悲観論やドル悲観論が聞かれますが、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は「アメリカ悲観論者は狂っている」と発言しています。
これはロイター通信が報じており、詳細については語られませんでしたが、やはりアメリカの人口データを見ますと、納得できます。
アメリカでは5年刻みの年齢ゾーンを見ますと、「25~29歳」が最も人口が多く、次に「20~24歳」が多くなっています。
これは住宅にしても、自動車にしても、これから買う、という膨大な需要があることを意味します。
という事は、アメリカの景気は放っておいても拡大を続けることになる、と言えるのではないでしょうか。
ただし過去コラムでもお伝えしましたが、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏も前述のウォーレン・バフェット氏も「いつ起きるかは分からない。だが確実に起きる」という事で、近い将来に「2008年のような金融危機が確実に起こる」と述べている点には注意が必要です。
要するに株価にしても為替にしても、一本調子で推移するとは思わない方が賢明で、いざ金融危機が起こった際は、逆に「安く買うチャンスだ」といったような中長期の視点を失わない事が大事です。
その中長期の視点を考える上で、「最もきちんと当たる予想」と言われるのが人口データです。
前述のビル・ゲイツ氏は「21世紀のノストラダムス」と呼ばれるなど、未来予想にも定評があるそうですが、今後成長が著しい地域として「アフリカ大陸」を挙げています。
ビル・ゲイツ氏がそのように予想する根拠も「人口データ」にあるようです。
FXでも南アフリカランドを取引できる会社は多いですが、今後は面白い通貨になってくるかもしれません。
いずれにせよ、人口データを含め、投資家として中長期の視点を持つ事は大事です。
「ピンチはチャンス」と言いますが、ピンチをチャンスに変えるのも、中長期の視点があってこその事だからです。
引き続き頑張りましょう。