相場には「レンジ相場」と「トレンド相場」があります。
同じような値段を行ったり来たりするのが「レンジ相場」ですが、今日1日で売買を完結させるデイトレードの場合、「今日はレンジ相場だった」「今日はトレンド相場だった」というように、「今日の値動き」で判断されます。
同様に、数日・数週間・数か月で売買を完結させるスイングトレードの場合ですと、「数日・数週間・数か月の値動き」で判断されます。
つまり「レンジ相場」や「トレンド相場」といっても、どの「時間軸」で相場を眺めるかによって判断が違ってきます。
そして仮に相場が「レンジ相場」である場合、レンジの下の方で買ってレンジの上の方で売れば、利益を得る事ができます。
したがってそれを繰り返せば、利益を積み重ねる事ができます。
しかし相場が一筋縄ではいかないのが、例えば2円幅だと思っていたレンジが3円幅に広がったり、3円幅だと思っていたレンジが4円幅に広がったり、その逆パターンもあったりと、ずっと一定幅のレンジとなるわけではないところです。
またレンジ相場はどこかでトレンド相場に転換するものですし、トレンド相場もどこかでレンジ相場に転換するものです。
したがって仮にレンジ相場と想定して短期売買を行ったとしても、やたらと損切りがヒットしてしまう、結果として損切り貧乏になっていく、という事がありがちなのです。
さらに先日も「三菱UFJモルガン、国債価格を不正操作か 監視委勧告」といったニュースがあったように、相場の世界は価格の不正操作が頻繁にあります。
為替についても例外ではなく、極めて怪しい、不正操作が疑われる値動きが頻繁に見受けられます。
このような不正操作によっても、前述のような「短期売買を行ったとしても、やたらと損切りがヒットしてしまう、結果として損切り貧乏になっていく」という事になってしまうのです。
そのような中、相場には「トレンド・イズ・フレンド」という格言があり、簡単に言えば「トレンドに従いなさい、トレンドに逆らわないようにしなさい」といった事を意味しますが、プロのトレーダーは「レンジ相場で勝負します」という人達よりも、「トレンド・イズ・フレンド」を念頭に勝負する人達の方が多数派です。
「トレンド・イズ・フレンド」を重視するのは以下のような理由からです。
・レンジ相場はずっと一定幅のレンジとなるわけではなく、一筋縄ではいかないものだから
・トレンド相場のトレンドに乗れた際には、利益が順当に増えていくから
上記のような理由からプロのトレーダーは「トレンド・イズ・フレンド」を重視する人達の方が多数派なのですが、トランプ大統領誕生以降はAI(人工知能)の台頭も加わって、「動かない」か「変な値動き」ばかりなので、「レンジ相場派」の人達も「トレンド相場派」の人達も、双方が首を傾げるような展開が多くなっています。
「では、どうすべきなのか?」といった時に、私達が教訓にすべきヒントが「投資の神様」「オマハの賢人」と崇められるウォーレン・バフェット氏にあると思います。
ウォーレン・バフェット氏といえば、世界長者番付でも首位になった事がある程の成功者ですが、それでも投資で「悔しい思いをした事は何度もある」と言います。
「頭に血が上り、平常心を失った事もある」と言います。
そのような経験も踏まえた上で、大事な事が「長期的視野と忍耐強さだ」と言っているのです。
したがって私達もバフェット氏を見倣って、「長期的視野と忍耐強さ」の重要さを自身に言い聞かせながら取り組むべきではないかと思います。
仏教の教えにも「諸行無常」とありますが、相場において、「動かない」や「変な値動き」も永遠に続くわけではない、と考えて臨むべきです。
最近のコラムでは、米金融大手のゴールドマン・サックスがAIを使って、サッカーワールドカップ・ロシア大会の予想を出した事をお伝えしていますが、先日ブラジルがベルギーに敗れた事で、「ブラジルが優勝する」とのAI予想も外れました。
AIも決して完璧ではないので、相場においても、人間がAIに勝つ展開がこの先もきっとあるはずです。
「長期的視野と忍耐強さ」を意識して頑張りましょう。