リーマン・ショックから10年

 

リーマン・ショックから10年が経ちました。

 

そして9.11同時多発テロから17年が経ちました。

 

当時の事は今でも鮮明に覚えています。

 

相場の世界は混乱を極めていました。

 

 

 

さて過去のコラムでも触れた事がありますが、米金融大手のゴールドマン・サックスで、2000年当時には600人いたニューヨーク本社のトレーダーが現在は2人になっています。

 

他はすべて機械(AI)に置き換わっています。

 

そして先日知り合いから聞いたのですが、イギリス金融大手のバークレイズも全く同じような状況になっているとの事でした。

 

 

 

このようにトレーダーが次々と人間から機械(AI)に置き換わっていく中で、相場の何がどう変わっていったのかという事ですが、以下のような事が指摘されています。

 

 

 

・極端な値動きが増えた(上がり過ぎる、下がり過ぎる)

 

 

 

・一気に上がった後、一気に下がった後で長期間の横ばいが続く

 

 

 

・説明のつかないような不可解な値動きが増えた

 

 

 

 

 

相場には、これらに加えて価格操作のような「インチキ」もあるため、アメリカの著名経済ジャーナリストのマックス・カイザー氏などは、現在の相場(特に銀)は凶悪犯罪が行われていると指摘しています。

 

 

 

しかし「行き過ぎ」は是正されるのが世の常なのか、現在は各方面から「危険を知らせるシグナル」が出ています。

 

 

 

例えば、前述のゴールドマン・サックスが設計した「弱気相場リスク指数」なるものがあるのですが、なんと現在は「50年ぶりの高水準」となっています。

 

そろそろ危ないぞ、という事です。

 

 

 

また「80」を超えると危険シグナルとされる金銀レシオ(金価格÷銀価格)も、今年の2月から何度も「80」を超えており、現在は1カ月以上「80」を超えた状態でキープされています。

 

これについても、そろそろ危ないぞ、と捉える事ができます。

 

 

 

世界三大投資家の1人とされるジム・ロジャーズ氏は、日本経済新聞のインタビューで「リーマン・ショックを超える金融危機の発生が近づいている」「前代未聞のとんでもない危機が避けられない」と警告を発しました。

 

 

 

また前ECB(欧州中央銀行)総裁のジャン・クロード・トリシェ氏も、「リーマン・ショックのあった2008年よりも危険な状態になっている」と警告を発しました。

 

 

 

直近ではトランプ大統領が2000億ドル相当の中国製品に対する制裁関税第3弾を発動すると発表したところで、今後は貿易戦争の激化が懸念される事からも、危険な状態になっているのは間違いないと思います。

 

 

 

別の視点で考えてみた場合も、トランプ大統領の存在自体が危険である可能性が大で、先日アメリカでは著名な精神科医や心理学者らが参加する「トランプ大統領の危険な精神状態」と題する会議が開かれたとの事です。

 

そこではトランプ大統領のこれまでの言動がつぶさに検証され、結果、精神疾患の診断が下ったそうです。

 

 

 

しかしそれでもトランプ氏がアメリカの大統領ですから、世界は甚大な影響を受けます。

 

今後もトランプ大統領によって世界が振り回される可能性が高いとみるべきです。

 

 

 

ところが「何月何日に地震が起きます」と予測できないように、いざ金融危機が起きるにせよ、それが「何月何日に」と予測する事はできません。

 

 

 

一方で、「また近い将来、日本のどこかで震度6や震度7の地震が起きるのではないか」「いつか南海トラフ地震が起きるのではないか」と思っている人達がいるように、金融危機も「いつ起きてもおかしくない」と考えておいた方がいいと思います。

 

 

 

金融危機で予想される事は、何よりも「極端な値動きがある」という事です。

 

しかし「極端な値動き」は将来的に修正されてくる事を考えますと、金融危機は「ピンチはチャンス」で、「チャンス」と捉える事もできます。

 

 

 

また「金融危機」に備えるという意味では、昔から「有事の円買い」「有事のドル買い」「有事の金買い」と言われるように、今のうちから「円高」「ドル高」「金高」を意識しながら取り組むのが賢明ではないかと思います。

 

 

 

気を引き締めてやっていきましょう。