ヨーロッパの懸念

 

トランプ氏が大統領に就任し、10日が経ちました。

 

トランプ大統領をめぐっては、方々から酷評が相次いでいます。

 

一方で、トランプ大統領を称賛する人達もたくさんいます。

 

 

 

そんな中、私達が気になるのは「今後世界がどうなっていくのか」だと思います。

 

 

 

作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が「私の知る限り、ここまでハッキリと米大統領選のトランプ氏勝利を予測した人はいない」と言って、名前を挙げたのが副島隆彦氏です。

 

副島氏は評論家で「副島国家戦略研究所」を主宰しています。

 

副島氏は、昨年71日に出版した「トランプ大統領とアメリカの真実」という本の帯で「次はトランプで決まり!」と断言していました。

 

予測はズバリ的中です。

 

 

 

私は、佐藤優氏も副島隆彦氏も非常に頭の良い方だと思っていますが、世間には副島氏の事を陰謀論者とみなす人達もいます。

 

しかし、佐藤氏は副島氏の事を以下のように語っています。

 

【副島氏を「陰謀論者」とみなす有識者やジャーナリストには事柄の本質が見えていません。副島氏は英語に堪能で、しかも与件の中で最悪の状況を分析する類稀なインテリジェンス能力があります。】

 

 

 

したがって、佐藤優氏も言うように、私も副島隆彦氏の発言は傾聴に値すると思います。

 

 

 

副島氏は、世界には現在3つの重要な政治思想があると語っています。

 

 

 

1つ目は、「貧しい人たちを助けることはできない。無理して助けようとすると、他の場面で無理が出る。世の中は、金持ちと貧乏人、権力者と支配される者たちがいて当然、自然、当たり前なのだ」といった思想で、これを「自然法派の政治思想」といいます。

 

 

 

2つ目は、「自分のことは自分でやれ、人に頼るな、他の人を助けたれば、自分に余力がある範囲でやれ。国や政府が公務員の数ばかり山ほど増やして税金をふんだくって、社会福祉を充実させます、と言うのは間違った考え方だ」といった思想で、「自然権派の政治思想」といいます。

 

 

 

3つ目は、「貧乏な人々や労働者や移民、障碍者たちにも生きる権利があって、十分に国家や制度によって守られるべきだ」といった思想で、「人権派の政治思想」といいます。

 

 

 

トランプ大統領は、上記2つ目の「自然権派の政治思想」だと副島氏は語っています。

 

 

 

副島氏は、現在の世界には上記3つの政治思想の対立があって、2つ目の政治思想が強まってきた結果としてのトランプ大統領誕生と見ています。

 

「他の人を助けたれば、自分に余力がある範囲でやれ」という思想だからこそ、トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」発言をしたわけで、今後はアメリカの国内問題を優先するという事なのです。

 

 

 

そんな副島氏が、上記の「トランプ大統領とアメリカの真実」の後に出した金融本が「ユーロ恐慌 欧州壊滅と日本」です。

 

タイトルからも本の内容が想像できそうなのですが、この本の重要ポイントは「アメリカや日本よりもヨーロッパの金融崩れが先に起きそう」と語っている点です。

 

 

 

現在、「ドル」や「円」については、著名投資家や専門家の意見も、ドル高円安、反対にドル安円高と意見が完全に分かれており、判断の難しいところです。

 

しかし、ここで副島氏が語っているように、「アメリカや日本よりもヨーロッパの金融崩れが先に起きそう」という意見を参考にし、「ユーロの売り」という事を選択肢に入れておきますと、今後の投資戦略が立てやすくなると思います。

 

 

 

昨年の1月と比較して、今月は非常に値動きが小さいですが、皆さんにおかれましても、今後は「ユーロの売り」という事も選択肢として意識していただければと思います。