パリバ・ショック

 

10年前のこのお盆の時期に「パリバ・ショック」というものがありました。

 

 

 

フランス大手銀行のBNPパリバを発端とする金融ショックのことです。

 

当時、サブプライムローンが組み入れられた金融商品がデフォルトを起こし始め、サブプライム関連商品を多額に保有していた欧州の金融機関に対して警戒感が強まっていました。

 

そんな中、BNPパリバが傘下のサブプライムローン関連商品であるファンドの新規募集と解約を凍結すると発表したことで、世界のマーケットがパニックに陥りました。

 

市場でサブプライムローン関連商品の買い手がつかず、それまでサブプライム関連商品を積極的に購入していた欧米投資家が動揺し、信用不安が台頭したことで、サブプライムローン危機の発端となったのです。

 

 

 

さて、今がお盆の時期という事もありますが、私はこの「パリバ・ショック」の事を思い出しています。

 

しかも、例年にないほど繰り返し思い出しています。

 

 

 

当時は2007年、私はお盆休みをいただいて、長崎に旅行をしようとしていました。

 

そして、空港で飛行機の搭乗待ちをしていたのですが、その時に会社の部下から電話がかかってきたのです。

 

「何だろう?」と思って電話に出たところ、「相場がとんでもないことになっています!」「大荒れです!」との事だったのです。

 

 

 

相場は確かに大荒れでした。

 

そして、このパリバ・ショックをきっかけに、ドル円が約10円、ユーロ円が約15円の下落に至ったのです。

 

 

 

当時はそんな大荒れ相場があったわけですが、今年は不思議と何度も繰り返し思い出すのです。

 

これは先週のコラムで語った「潜在意識」によるのかもしれません。

 

どことなく、当時と今と雰囲気が似ているからかもしれません。

 

 

 

そんな中、相場に変化の兆しが見えてきました。

 

北朝鮮がグアム攻撃計画を伝えたことから、日経平均が約2か月半ぶりの安値を付けることになったのです。

 

 

 

そして、以前のコラムで、VIX(恐怖指数)について、米テキサス大学オースティン校の2人の研究者が「不正操作されている疑いが濃い」と指摘しているとお伝えしましたが、おそらく不正操作によって23年ぶりの低水準にまで抑え込まれていた最近のVIX(恐怖指数)も、先週はなんと62%の大暴騰となったのです。

 

62%」という事は、例えば「1ドル=100円」が「1ドル=162円」になるくらい、日経平均だと19700円が32000円になるくらい凄まじい動きだったという事です。

 

これは、VIX(恐怖指数)が不正操作によっても抑えが効かなくなってきているという事で、相場の変化の兆しであると推測できます。

 

VIX(恐怖指数)が暴騰しているという事は、市場で不安感が高まっているという意味です。

 

 

 

こういった状況を踏まえた上で「どうするか」という事なのですが、欧州系某投資銀行のレポートの最新版は以下のようになっています。

 

 

 

・ドル円は「買い」で110.80円を目指すが、108.80円を付けた場合は見送り ⇒ 見送り

 

・ユーロドルは「買い」で1.2000ドルを目指す

 

・ユーロ円は「売り」で127.45円を目指す

 

・ポンドドルは「売り」で1.2935ドルを目指す

 

・豪ドルドルは「売り」で0.7700ドルを目指す

 

 

 

先週までとはかなり「中身」が変わってきました。

 

ドル円は予想通り109.50円を付けましたが、その後は110.80円を目指すでもなく、先週一時108.71円まで下落しています。

 

本手法の日足も「赤」を示しており、これについては本手法の「色」に沿った値動きをしたという事になります。

 

 

 

ユーロドルの予想は先週と変わらずとなっています。

 

本手法の日足、週足も「青」である事から、買い優勢という事なのでしょう。

 

 

 

ユーロ円は「売り」に変化していますが、本手法の日足は「黄色」、週足は「青」です。

 

したがって、これについては様子見をした方がいいかもしれません。

 

 

 

ポンドドルも「売り」に変化していますが、本手法の日足は「黄色」、週足は「青」です。

 

したがって、これについても様子見をした方がいいかもしれません。

 

 

 

豪ドルドルも「売り」に変化していますが、本手法の日足は「黄色」、週足は「青」です。

 

したがって、これについても様子見をした方がいいかもしれません。

 

 

 

上記から分かる事は、先週までと違って、欧州系某投資銀行のレポートの中身と本手法の「色」との間に「ズレ」が生じてきているという事です。

 

こういった事が起こっているのも、相場に「変化の兆し」という事かもしれません。

 

 

 

こういった場合どうするかですが、様子見をした方が無難だと思います。

 

しかし、どちらか一つを採用しなければならないのであれば、私は本手法の「色」を優先した方が良いと思っています。

 

理由としては、本来はファンダメンタルズがもっと重視されてしかるべきなのですが、今年に入ってからは特にファンダメンタルズを無視した値動きばかりしているからです。

 

そういう事情がありますので、どちらか一つを採用しなければならないのであれば、先月のコラムで述べたように、本手法の日足の「色」重視で、ポジション量算出等のリスク管理は週足で行うのが良いと思うわけです。

 

 

 

いずれにしましても、「用心しながら」というスタンスは崩さない方が良いでしょう。

 

前述のように、VIX(恐怖指数)が先週62%の大暴騰となりましたし、市場に危うい雰囲気が漂っているからです。

 

米国についても、ここにきて「トランプリスク」なる言葉がずいぶんと聞かれるようになってきています。

 

政権がどうも非常に混乱している様子なのです。

 

 

 

したがって、私は「パリバ・ショック」のような相場波乱がいつどこで起こってもおかしくないように思います。