スタン・スクール

 

NYU Stern School 修了しました。financemaster。この一年半は自分でもよく頑張ったと思うわ」

 

先日、私の学生時代の友人から上記のような報告がありました。

 

 

 

NYU Stern Schoolとはニューヨーク大学のMBA(経営大学院)の事であり、スターン・スクール、またはスターンと呼ばれます。

 

日本人では、トヨタ自動車相談役の豊田達郎氏がスターン・スクールの卒業生として知られています。

 

 

 

スターン・スクールは世界最古のビジネス・スクールの一つであり、世界のMBAプログラムの中でも最難関校の一つであるとされています。

 

スターン・スクールでは、3人ものノーベル賞受賞者が現役教授で、ロイ・スミス氏(ゴールドマン・サックスの元共同経営者)も教授を務めています。

 

フィナンシャル・タイムズが発表するMBAランキングのファイナンス部門においては、2年連続で世界1位にランクするなど、金融分野においては世界屈指の評価を受けています。

 

 

 

友人は学生時代から非常に優秀で、卒業後はずっと外資系金融機関で働いているのですが、友人からは「モノの見方」など勉強になる事がとても多く、現在の私があるのも友人の影響が大きいと思います。

 

 

 

そんな友人と私との間で、昔から相場に関して意見が一致している事があります。

 

それは、「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)こそが重要だ」という考え方です。

 

簡単に言いますと、「豊作だったら値下がりし、不作だったら値上がりする」といったような、経済の原理原則こそが重要だという考え方です。

 

 

 

9月のコラムでもお伝えしましたが、「投資の神様」「オマハの賢人」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が「チャートを上下逆さにしてみても答えが同じだった時に、テクニカル分析は機能しないと気付いた」と述べたという有名な話があります。

 

これも、「ファンダメンタルズこそが重要だ」という意味です。

 

そんなウォーレン・バフェット氏に関する気になる情報としましては、現在はリーマン・ショック前の時と同様の水準まで現金の比率を高め、様子見スタンスだそうです。

 

 

 

さて、テクニカル分析についてですが、友人も私も無意味だとは思っていません。

 

しかし、長い目で見たら「ファンダメンタルズこそが重要で、ファンダメンタルズに従った値動きになる」という考えで意見が一致しています。

 

 

 

そんな「ファンダメンタルズ」的な観点で言いますと、最近の相場ほどファンダメンタルズを無視した展開を私は知りません。

 

前述のバフェット氏の「様子見」も、このあたりに理由があるのではないかと思います。

 

 

 

最近の相場展開は、もはや「滅茶苦茶」といった感じで、犯罪的であるといっても過言ではないと思います。

 

つまり、「インチキが行われている」と確信しているわけですが、相場の世界では、昔から銀行などの金融機関が他の金融機関に対し、価格の不正操作に対しての刑事責任を求める裁判を起こす事があります。

 

その結果、実際に逮捕者が出た事も多々ありますが、トカゲの尻尾切りなのか、いつまで経っても「インチキ」が無くなる事はありません。

 

さらに、最近の相場はAIの影響が大きくなっており、AIが不可解な値動きに拍車をかけます。

 

「タチが悪い」というのが正直な印象です。

 

 

 

相場に参加する以上、こういった相場でも付き合っていかなければなりませんが、巻き添えを食らって損する事を避けるためにも、これまでにも繰り返し述べてきましたが「負けなければ勝つ」を信条にやっていくべきだと思います。

 

 

 

前述の友人が昔数年間、香港で勤務をしていた事がありました。

 

その時、私は何度か遊びに行ったのですが、「香港の周りの人達はみんな金(ゴールド)を買っているよ」と言っていました。

 

金は昔から「有事の金」という言葉があり、いざという際に集中して買われる特徴を持っています。

 

他にも「有事の」と言われているのが、「ドル」と「円」です。

 

 

 

実はこのあたりの相場観も友人とは一致しており、長い目で見て「金」「ドル」「円」の「買い」が正解であるという考えです。

 

 

 

今年はそんな「金」「ドル」「円」が売られていますので、市場が安心感に浸っているという事を意味するのですが、決して楽観できるような状況にはありません。

 

 

 

先々週のコラムで、サウジアラビアでの王族逮捕劇についてお伝えしましたが、権力闘争の面もある一方、9.11同時多発テロに関連した逮捕劇である可能性もあり、資産8000億ドル(約90兆円)の行方がどうなるかという問題も抱えています。

 

そんな中、今度は「サウジ 拘束中の王子らを虐待か 拷問や自殺未遂情報も」といった物騒なニュースが流れていますし、国際テロ組織アルカイダの故ウサマ・ビンラディン容疑者の兄も拘束されたそうです。

 

 

 

一方ご存知の通り、北朝鮮は相変わらずミサイル発射を繰り返しています。

 

 

 

中国では先日、上海株が3%近く急落しました。

 

日経平均にたとえますと、700円近い急落に相当します。

 

 

 

イタリアでは若年層の失業率が40%を超える中、日本の共産党に近いタイプの政党「五つ星運動」が来年の総選挙で第1党になる可能性がかなり高くなっているそうです。

 

「五つ星運動」は反ユーロを掲げている事で知られています。

 

 

 

このような状況を踏まえまして、私達投資家は「世界の何かが確実におかしくなってきている」と感じなければなりません。

 

 

 

そして、そんな将来への備えとして「ファンダメンタルズ」にしっかりと注意を向けていただきたいと思います。

 

そのためにも、本コラムを過去の分も含めて繰り返し読み、しっかりと自身の中に内容を落とし込んでいただければと思います。