・ヒンデンブルグオーメン
・VIX(恐怖指数)
今回は、上記2点について考察したいと思います。
まず、ヒンデンブルグオーメンですが、これは米国株式市場の株価暴落の前兆とされるシグナルの事です。
「点灯=売りサイン」であり、発生すると1か月~2か月弱は有効とされています。
先日、ヒンデンブルグオーメンが点灯し、この事が方々で指摘されはじめています。
ヒンデンブルグオーメンに関して一例を挙げますと、2015年に点灯した際には、NYダウが18000ドルから15400ドルへと、約2600ドルもの下げがありました。
そして、同時期のドル円に関しては、125円から116円へと、約9円も円高に振れました。
この2015年というのは、ご記憶にある方も多いかと思いますが、チャイナショックが起こった年になります。
上海総合指数は3割以上暴落し、世界中が株安になった事から、世界同時株安とも言われました。
しかし、ヒンデンブルグオーメンが点灯しているにも関わらず、直近のNYダウは史上最高値を更新しております。
私個人としましては、この値動きに非常に危険な感じがしています。
と言いますのも、NYダウに対して、ハイテク産業を中心に多くの企業が登録しているナスダック市場では、先週末、急反落して取引を終了したからです。
米国の代表的な500銘柄の株価を指数化したS&P500も、急反落して取引を終了しています。
さて、史上最高値を更新したNYダウですが、背景にはVIX(恐怖指数)の低下があります。
先週末の金曜日、なんとVIX(恐怖指数)は23年ぶりの低水準を付けました。
VIX(恐怖指数)というのは、数値が高いほど投資家が相場の先行きを不安視しているとされ、数値が低いほど投資家が相場の先行きを楽観視しているとされるものです。
つまり、VIX(恐怖指数)だけで判断するならば、今は23年ぶりに投資家が相場の先行きを楽観視しているという事になります。
NYダウが史上最高値を更新した理由も、VIX(恐怖指数)23年ぶりの低水準が「証拠」だというわけです。
ところが、私は「ここに落とし穴がある」と思っています。
それが、前述の「ヒンデンブルグオーメンの点灯」であり、もう一つが「VIX(恐怖指数)の不正操作」になります。
「VIX(恐怖指数)の不正操作」に関しては、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事にもありましたが、米テキサス大学オースティン校の2人の研究者が「不正操作されている疑いが濃い」と指摘しています。
そして、2人の研究者だけではなく、多くの投資家の間でも、以前から「VIX(恐怖指数)は不正操作されているのではないか」と指摘されています。
私も「VIX(恐怖指数)は不正操作されているだろう」と思っています。
なぜなら、世界全体を見渡しても、それこそ、ありとあらゆる問題が山積みだからです。
どう考えても、「23年ぶりに投資家が相場の先行きを楽観視」である訳がない、と思うからです。
では、今後どうなるのかといいますと、「大きな修正が起こるはず」と予想します。
前述のように、ヒンデンブルグオーメンは、「点灯=売りサイン」であり、発生すると1か月~2か月弱は有効とされていますので、近いうちに「大きな修正が起こるはず」と予想します。
具体的には、株価暴落が起き、為替は大きく円高に振れると予想します。
そういう意味では、早ければ今週中にも大きな動きがあるかもしれません。
米国ではFOMCもありますし、イエレンFRB議長の記者会見もあるからです。
日経新聞では、すっかり「利上げモード」ですが、利上げの事実よりもその中身の方が注目で、中身次第では一波乱起こり得ます。
もし、今回の利上げが当面最後、その後利上げはしばらく見送られるのではないかという判断になってきますと、荒れるかもしれません。
そういうわけで、皆さんも、くれぐれも、現在の表面的な値動きに惑わされないようにしましょう。
そして、慎重な対応を心掛けていきましょう。