サウジアラビア

 

今回はサウジアラビアについて触れたいと思います。

 

報道でご存知の方もいるかと思いますが、「サウジアラビアの王子11人や政府高官少なくとも6人が一斉逮捕された」と報じられ、世界に衝撃を与えています。

 

汚職に関わった疑いでの逮捕だという事ですが、背後には権力闘争の面もあると思います。

 

その後さらに、逮捕者の数が500人を超えたとの報道もあります。

 

 

 

サウジアラビアの首都リヤドにあるリッツカールトンの公式サイトで、「予期せぬ状況のため、当ホテルのインターネットおよび電話回線は、今後の告知があるまで繋がらなくなっています」という説明が今月の6日に掲載されたそうです。

 

さらに、同ホテルの全492室は11月末まで満室状態だそうです。

 

これはどういうことかと言いますと、今回逮捕された王族達のための「留置所」として使うとの事です。

 

 

 

リッツカールトンを「留置所」として使うというのも凄い話と思いますが、前述のように逮捕者の数が500人を超えたからなのか、リッツカールトンだけでは足りずにホテル「コートヤード・バイ・マリオット」も留置所として使うそうです。

 

 

 

今回の一斉逮捕の報道で、世界中の投資家達が衝撃を受けたのが「拘束者達の資産が8000億ドル(約90兆円)」もあるという情報です。

 

これらの資産が今後どのように処理されていくのかという事や、尋常でない規模の金額であるために、いざたとえ一部であっても売却されようものなら、相場にも尋常でない影響が出るだろうという事で、騒ぎとなっているのです。

 

 

 

さて、以前のコラムでも語りましたが、今年は「AI投資元年」と言われています。

 

昨今の相場は、ボラティリティ(価格変動性)が異常に低かったり、不可解な値動きが多かったりしていますが、それもAIの影響が大きいと言われています。

 

 

 

しかし、時折「AIでさえ肩透かしを食らわされた」と言われるケースがあります。

 

過去には日銀のマイナス金利導入時に言われ、今回の逮捕劇もまさにそうです。

 

確かに、このような出来事についてはAIでも予測不能だと思います。

 

だからこそ私は、人間ならではの「感性」が重要だと思っています。

 

それは、「おかしい」相場を「おかしい」と感じるような感性の事です。

 

おかしいからこそ「気を付けよう」だったり、おかしいからこそ「修正されるはず(こんな展開がいつまでも続くはずがない)」という判断は、人間だからこそできる事です。

 

 

 

今回サウジアラビアについて取り上げましたが、サウジアラビアについては昨年のコラムでも以下のように取り上げた事があります。

 

 

 

【なんと9.11同時多発テロにおいて、サウジアラビア政府の要人が関与していたのではないかとの疑いが出てきています。

 

アメリカでは、9.11同時多発テロに関与した疑いのあるサウジアラビア政府の要人を米国法廷で裁判を実施すべきだという「9.11テロリズム訴訟法案」が米国上院司法委員会を通過したとの事です。

 

2003年、アメリカ民主党・共和党から構成される調査委員会は、800ページ以上にも渡る同時多発テロに関する報告書を公開したのですが、報告書では、同テロへのサウジアラビアの関与の可能性に関する28ページの文書が削除されており、『28ページ文書』として知られるこの部分は、国家安全保障を理由として13年間機密扱いとされてきました。

 

しかし、これを公表しようという動きが起こり始めているのです。】

 

 

 

今回の逮捕劇において、逮捕者の中に「バンダル・ビン・ スルタン王子」が含まれていると報じられているのですが、どうやら「バンダル・ビン・スルタン王子が911テロに深く関与していた」という噂があるようです。

 

したがって今回の逮捕劇は権力闘争の面もあると思いますが、9.11同時多発テロに関連した逮捕劇である可能性もあり、資産8000億ドル(約90兆円)の行方がどうなるかという問題も抱えている事から、今後マーケットを大きく揺らがせるかもしれないと認識しておくべきなのです。

 

 

 

そして、マーケットを大きく揺らがせるのであれば、おそらく世界同時株安のような展開でしょうから、為替は円高に進み、これまでずっと買われてきたユーロは売られると思います。

 

 

 

今後の展開に要注目という事で臨んでいただければと思います。