「〇〇さんに、VIX(恐怖指数)と△△を使って為替相場の分析をするやり方を教えてもらいました。けっこう当たりますね」
「なるほど~ しかしVIX(恐怖指数)自体がインチキされていますよ。不正操作です」
「え~!! VIX(恐怖指数)ってインチキされているんですか?」
「はい。変な話ですが、命をかけてもいいです。100%インチキされています」
先月、投資家仲間と上記のような会話をしていました。
そして先日、その投資家仲間から以下のような連絡がきました。
「相良さん、こんばんは! 今日、VIX(恐怖指数)の不正操作についてニュース出ていましたね」
(以下、記事を添付)
【VIX指数に市場操作があったとの告発、米当局に提出=ロイター】
(中略)ワシントンに拠点を構える法律事務所が、投資ビジネスの上級職の経験がある匿名の人物の代理として、SEC(米証券取引委員会)とCFTC(米商品先物取引委員会)に提出した・・・
「ありがとうございます! やっぱりビンゴでしたね」
「やっぱり出ましたね! おかしいと言っていましたもんね・・・」
さてVIX(恐怖指数)の不正操作疑惑については、本コラムでも何度かお伝えしてきました。
そして、この一年間の不可解な値動きについては以下のような構図がありました。
・VIX(恐怖指数)の不正操作 ⇒ VIX(恐怖指数)の数値を基にAI(人工知能)が各市場の値動きを形成していく
・株、為替、債券、コモディティ等の価格については、しばしばVIX(恐怖指数)を根拠とする説明で正当化されてきた
要するに、あらゆる市場の価格形成の原点に位置しているのがVIX(恐怖指数)だとイメージしていただければ分かりやすいかと思います。
またやや専門的になりますが、VIX先物、VIXオプション、VIX連動型ETF・ETNなど、VIX(恐怖指数)から作られた金融商品も多数あります。
ところが今月起こった米国株の過去最大級の暴落劇と合わせて、上記のようなVIX(恐怖指数)関連の金融商品は、数日間で元金のほとんどが消失するほどのマイナスが出ることとなりました。
しかも、あまりにも凄まじい勢いでマイナスが拡大したため、次から次へと取引停止にもなりました。
この件について日経新聞が報じていましたが、今月起こった米国株の過去最大級の暴落の「引き金を引いた」のがVIX(恐怖指数)だとみられています。
つまりロイターの記事と合わせて話を整理しますと、「誰か」がVIX(恐怖指数)を不正操作し、それによって米国株の暴落及びVIX(恐怖指数)関連の金融商品の巨額損失が同時にもたらされたという事なのです。
そして日経新聞は(前述のロイター記事と同じ)法律事務所が以下のように主張している事も報じています。
・VIX(恐怖指数)の不正操作が一般投資家に毎月数億ドルの損失を与えている
・最近の市場混乱は「詐欺」の存在をより確実にしている
上記の法律事務所の主張は、私の見解とも一致します。
当局が一刻も早く「犯人」を見つけ出し、不正操作がなくなる事を切に願います。
次に、AI(人工知能)について把握しておいた方がいい事があります。
過去コラムでも述べましたが、AI(人工知能)には「ストロングAI」と「ウィークAI」というものがあります。
「ストロングAI」は人間の脳を人工的に作るものであり、「ウィークAI」は高性能なコンピュータを作るものになります。
現在の人工知能はウィークAI、すなわち優れたコンピュータを目指す方向にあります。
ここで現在の主流であるウィークAIの実態ですが、専門家によりますと、AI(人工知能)搭載ロボットは「将棋の名人に将棋で勝つことはできるが、近所のお使いにすら行けない」というレベルだそうです。
また、人間だったら簡単に理解できる以下のような文章の意味の違いも、AI(人工知能)には理解できないそうです。
・先日、岡山と広島に行ってきた
・先日、岡田(さん)と広島に行ってきた
さて一説では、昨今の相場取引シェアの7割をAI(人工知能)が占めると言われていますが、その実態は上記のような有様なのです。
つまり何かに対して機械的に「反応」することはできても、人間的な「判断能力」を有しているわけではないという事です。
しかし、そのような人間的な「判断能力」を有していないAI(人工知能)が、人間だったら見抜けるVIX(恐怖指数)の不正操作を「不正」と見抜かずに、機械的に各市場の値動きを形成しているのが現状です。
だからこそ、昨今の値動きが「おかしく」なるべくして「おかしく」なるのです。
では一番肝心な「今後どうなるか?」についてですが、確信を持って言える事が三点あります。
・インチキは現在進行形でまだ続いている
・「米国株の過去最大級の暴落劇」はまだ終わっておらず、いつ第二弾がきてもおかしくない
・何度かの暴落劇を経て、これまでの値動きが修正されていく
最後の「何度かの暴落劇を経て、これまでの値動きが修正されていく」についてですが、相場の原理は「買ったものは売って決済」「売ったものは買って決済」です。
という事は、これまで上がってきたものは下がるし、これまで下がってきたものは上がるという事です。
つまり一年前の価格と今の価格を比較しながら、いつ一年前の価格に向かって修正されてもおかしくない、というイメージを持って取り組んだ方が良いという事です。
逆に言えば、現在の価格付近を行ったり来たりしている間は「インチキは現在進行形でまだ続いている」と認識しておいた方が良いでしょう。
なぜならば、この一年間の「おかしな」値動きが十分に修正されていない事を意味するからです。
なんとも「やっかいな」状況にあるのですが、それでも負けなければ勝ちます。
つまり、耐えれば勝てるのです。
前述の法律事務所の主張のように「VIX(恐怖指数)の不正操作が一般投資家に毎月数億ドルの損失を与えている」「最近の市場混乱は詐欺の存在をより確実にしている」という構図がありますが、逆に私達は不正操作をした連中から不正に得た利益を没収するつもりで根気強く臨むべきだと思います。
引き続き、頑張りましょう。