TPP

 

1028日、今週の金曜日に自民党がTPP協定批准を強行採決するのではないかという噂が出ています。

 

 

 

改めて、TPPを簡単に説明しますと、太平洋周辺の国々の間で人、物、サービス、金の移動をほぼ完全に自由にしようという国際協定の事です。

 

TPPは、Trans-Pacific PartnershipまたはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementの略で、環太平洋経済連携協定、環太平洋戦略的経済連携協定、環太平洋パートナーシップなどと訳されます。

 

参加国は日本、アメリカ、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、メキシコ、チリ、ペルーの12か国で、2015年にTPP締結で大筋合意しました。

 

 

 

安倍首相はTPPの今国会での承認を目指していますが、どうも1028日に自民党がTPP協定批准を強行採決するのではないかと言われています。

 

 

 

TPPの問題は色々と指摘されています。

 

農家や畜産業、水産業、土木建設業が打撃を受ける、遺伝子組み換え食品によって食の安全が脅かされる、食品添加物、残留農薬の基準が大幅に下げられ食の安全が脅かされる、医薬品が値上がりする、国民皆保険制度が危なくなる、知的財産権の関係でインターネットの自由が危うくなる、地方がさらに疲弊する、雇用が失われ、労働者の給料が下がる・・・等、指摘されています。

 

 

 

中でも特に問題視されているのがISD条項です。

 

これは簡単に言いますと、企業が国を訴えることができるもので、世界銀行傘下の国際投資紛争センターが訴えの判決を下すものです。

 

この国際投資紛争センターに訴えが持ち込まれると、過去全てグローバル企業(米国企業)が国に勝利しています。

 

韓国、カナダ、メキシコといった国々が過去に巨額の賠償金を支払わされています。

 

ISD条項の問題は、グローバル企業のルールが国のルールに優先されることで、民主主義そのものが危うくなってくる事です。

 

 

 

したがって、TPP参加は、日本という国をグローバル企業、すなわち外資に売り渡す行為だと指摘する人もいます。

 

 

 

このようなTPPには、日米ともに多くの政治家が反対しています。

 

現在、米大統領選を闘っているヒラリー氏もトランプ氏も、TPPに反対を表明しています。

 

ヒラリー氏は「現時点では支持でいない」と言い、トランプ氏は「酷い合意だ」と指摘しています。

 

しかし、どちらが大統領になったにせよ、グローバル企業のロビー活動は非常に凄まじいものがありますので、やはり、TPP参加の流れは変わらないのではないかと思います。

 

 

 

さて、今回TPPについて言及していますのも、1028日に自民党がTPP協定批准を強行採決するとの噂があるからです。

 

 

 

前述のように、TPPは国のあり方自体を変えてしまいかねないものなので、私達の生活にも影響があるわけですが、ここではTPPによって今後の為替がどうなるのかを考えてみたいと思います。

 

 

 

TPPは圧倒的にグローバル企業(米国企業)の為のものです。

 

米議会としては、ドル高を嫌う自動車業界などに配慮せざるを得ません。

 

したがって、日米においては過度のドル高円安を避けたいはずだとの見方が市場では出ています。

 

 

 

また、米国、カナダ、メキシコが参加するNAFTA(北米自由貿易協定)がありますが、NAFTA発効後の米ドルはカナダやメキシコ情勢に振らされやすくなったとも指摘されています。

 

したがって、TPPにおいても、ドル高になれば円高になる、ドル安になれば円安になる、といった具合に、ドルと円が連動しやすくなるのではないかとも言われています。

 

そうすると、ドル円においては、行ったり来たりの小動きが続きやすくなります。

 

 

 

というわけで、皆さんにおかれましても、今後は今一度TPP関連のニュースに注目していただければと思います。