ストップ

 

今週は「ストップ」をテーマにお話したいと思います。

 

FXにおいて「ストップは大事」だと言われます。

 

しかし、漠然と大事だという事ではなく、きちんと掘り下げて考える必要のあるテーマだと思います。

 

 

 

仮に、運用資金が100万円あったとします。

 

そして、現在のドル円が121円だとします。

 

この時、もし1000通貨だけドル円を買ったとしたら、極端な話ですが1ドル=1円になったとしても、12万円の含み損で強制決済にすらなる事はありません。

 

「ストップは大事」だと言われますが、このように十二分過ぎる程余裕を持たせて運用する分には、ストップを入れなくとも安全だと言えます。

 

 

 

では、通常の売買の場合、なぜストップを入れるのかと言いますと、レバレッジをかけて運用していく中で、「これ以上は損したくない」という考えが背景にあるからです。

 

先程の例で、もし100万円の資金でドル円を5万通貨買ったとしたら、1円逆に動く度に5万円のマイナスになります。

 

ここで、「5万円以上損するのは嫌だ」という事であるなら、1円逆に動くまでの間にストップを入れる事になります。

 

当たり前かもしれませんが、ストップを入れる背景には「これ以上損はしたくない」という考えが背景にあるのです。

 

 

 

さて、そんな中で「理想のストップとは何か?」という事を考えてみたいと思います。

 

 

 

この時、非常に重要なのが「時間軸」の概念です。

 

よく「損切り早く、利は伸ばせ」などと言われます。

 

しかし、私は敢えて「この言葉に騙されるな」と言いたいと思います。

 

と言いますのも、個人投資家の方に多く見られるのですが、「損切り早く」と「利は伸ばせ」の時間軸がズレてしまっているケースが往々にしてあるからです。

 

どういう事かと言いますと、「損切り早く」という事で設定したストップは数時間以内に到達しそうなストップであるのに対して、「利は伸ばせ」のリミットは最低でも数日はかからないと到達しそうもないリミットになっているケースなどです。

 

このような場合、ストップの方が頻繁にヒットしても当然の結果だと言えます。

 

ですので、大事なのは「損切り早く、利は伸ばせ」という言葉に囚われる事ではなく、「損切り」も「利食い」も、ポジションを仕掛ける時に同じ「時間軸」で考えるという事です。

 

1日で完結するトレードなら、1日という時間の中でのストップと利食いを考えます。

 

仮に1週間や1時間で完結するトレードであっても、それぞれの時間の中でのストップと利食いを考えるという事なのです。

 

 

 

つまり、「理想のストップ」とは勝負する時間軸を踏まえて考えるものなのです。

 

 

 

ここで、「理想のストップ」に対して、「悔やまれるストップ」について考えてみましょう。

 

「悔やまれるストップ」とは、「相場の読みは合っていたのに途中でストップにかかり、ストップにかかった後に相場が読み通りに動いていく」というようなストップではないかと思います。

 

しかし、ストップを入れる限りは「悔やまれるストップ」をゼロにする事はできません。

 

そこで、「悔やまれるストップ」を極力減らすという努力をする必要が出てきます。

 

 

 

このように「悔やまれるストップ」を考えた時に、「理想のストップ」が浮かび上がってきます。

 

「理想のストップ」とは、「相場の読みは間違っていたけれども、ストップを設定していたおかげで更なる損失の拡大を防げた」というストップだと思います。

 

「悔やまれるストップ」を極力減らし、「理想のストップ」を追求していく事が重要なのです。

 

 

 

“買い”なら「これ以上下がったら損切りした方がいい」というストップを、“売り”なら「これ以上上がったら損切りした方がいい」というストップを設定するわけですが、大事なのは“エントリーの時点で、リミットもストップも同じ時間軸で考える”という事になります。

 

 

 

みなさんも、ぜひ一度、「ストップ」について掘り下げて考えてみてください。