緊急時

 

「停電になった場合、対応ができますか?」

 

「インフルエンザなどで社員が大量に休んだときに業務に支障はありませんか?」

 

これは、BCP(事業継続計画)といって、FX会社が当局から指導として受ける質問の例です。

 

 

 

現在、東日本大震災からちょうど5年が経ちました。

 

上記の質問内容ですが、実は東日本大震災を境に「あり得ない」と思われるような質問内容に変わってきているそうです。

 

 

 

「ミサイルが撃ち込まれたらどうしますか?」

 

「オフィスビルが巨大地震で崩壊したらどうしますか?」

 

「インターネットが使えない状況になったらどうしますか?」

 

「全社員が亡くなったらどうしますか?」

 

 

 

正直、「どうしようもないだろう」と思いますが、東日本大震災以降、当局はこのような「あり得ない」と思われるような質問をFX会社にしてきて、FX会社も回答にとても苦労しているそうです。

 

 

 

しかし、確かに今の世の中、何が起こってもおかしくないような雰囲気があります。

 

個人レベルで、「ミサイルが撃ち込まれたら?」「巨大地震があったら?」「インターネットが使えなくなったら?」「死んだら?」等までは想像しにくいですが、その分、「普段の売買には細心の注意を払いましょう」という事は徹底して意識するべきだと思います。

 

 

 

私は、金融機関で10年間働いてきました。

 

だからこそ分かるのですが、損失ばかり出す顧客というのが一定数いるのは事実です。

 

そして、最終的には自滅する投資家がほとんどである事も知っています。

 

その結果、金融業界では「客の逆をやれば勝てる」などという会話が日常茶飯事のようになされているわけです。

 

 

 

では、「損失ばかり出す一定数の顧客」とは、投資手法にどんな特徴があるのでしょうか?

 

それはズバリ、一攫千金を狙っている、という事です。

 

 

 

FXは証拠金取引でレバレッジがかかっています。

 

「1万円損するかもしれないけど、一気に10万円稼いでやろう」というような考え方の人が「損失ばかり出す一定数の顧客」の特徴になります。

 

 

 

この理由は、少し考えれば分かります。

 

例えば、ドル円を114円で1万通貨買ったとして、10万円の利益を出そうと思ったら、ドル円が124円にならなければなりません。

 

一方で、損失を1万円に抑えようと思ったら、113円で損切りをしなければなりません。

 

現在1ドル=114円だとしたら、113円と124円のどちらが先に到達する可能性が高いかといったら、通常は113円です。

 

だからこそ、頻繁に損切りがヒットする事になるわけです。

 

 

 

同様に、ドル円を114円で5万通貨買ったとして、10万円の利益を出そうと思ったら、ドル円が116円にならなければなりません。

 

一方で、損失を1万円に抑えようと思ったら、11380銭で損切りをしなければなりません。

 

現在1ドル=114円だとしたら、11380銭と116円のどちらが先に到達する可能性が高いかといったら、通常は11380銭です。

 

やはり、頻繁に損切りがヒットする事になります。

 

 

 

つまり、このような一攫千金タイプの人は、頻繁に損切りとなる「損切り貧乏」に陥りがちなのです。

 

よほど運良く、底値で買えたり、天井で売れたりが出来なければ、勝てるわけがないのです。

 

もし、たまたま上手くいったとしても、継続的に底値で買ったり、天井で売ったりする事はできませんから、一攫千金タイプの人は「損失ばかり出す一定数の顧客」となってしまうのです。

 

 

 

では、ここまで極端な一攫千金タイプではないとしても、「ほとんどの投資家が最終的には自滅」というのは、どういう事でしょうか?

 

 

 

それは、普段は冷静に売買出来ているのに、連敗が続き、含み損が拡大したタイミングで冷静さを失い、普段であればやらないような大きなリスクを伴う売買をし、自滅してしまうというパターンです。

 

これは多くの人が陥りがちなパターンなのです。

 

 

 

だからこそ、みなさんはこれらの投資家達を反面教師として、自らは投資における正しい行動をとり続けなければなりません。

 

 

 

そんな中で、勝つ投資家に共通するパターンというものがあります。

 

必ず共通する、と言っても過言ではありません。

 

 

 

それは、「リスクが先、リターンが後」という事です。

 

いついかなる時も「リスクが先、リターンが後」です。

 

 

 

つまり、最初に「悪いケース」から想定し、それでも「悪いケースになるよりも良いケースになる可能性の方が高いだろう」と判断できてからポジションを持つ、という事なのです。

 

 

 

ですので、前述のような、希望的観測で良いケースばかりに目が行く一攫千金タイプとは全く違うのです。

 

 

 

あくまで「リスク」から先に考え、その「リスク」よりも「リターン」の方が現実になる可能性が高いと思ったら、ようやくポジションを持つ、という慎重さがポイントになります。

 

しかも、「いついかなる時も」という事です。

 

 

 

繰り返しますが、「ミサイルが撃ち込まれたら?」「巨大地震があったら?」「インターネットが使えなくなったら?」「死んだら?」等までは想像しにくいですが、その分、「普段の売買には細心の注意を払いましょう」という事なのです。

 

 

 

「1万円損するかもしれないけど、一気に10万円稼いでやろう」という一攫千金の考えでは、ダメなのです。

 

いついかなる時も「リスクが先、リターンが後」という事を忘れずに実践してください。

 

そして、リスクとリターンの現実的な可能性を天秤にかけた判断で実践してください。

 

こういった慎重さが「勝ち」「負け」の重要ポイントなのです。

 

そして、それが勝ち組投資家へと近づく確実な道なのです。