投資家としての適性

 

今週はFXにおける「投資家としての適性」についてお話をしたいと思います。

 

プロディーラーの間でも時々話題にする事がある「投資家としての適性」ですが、例えば同じ手法を学んだとしても、必ずといっていいほど、人によって「差」が出ます。

 

それはある意味、当然だとも言えます。

 

なぜなら、人は機械ではありませんので、全員が全く同じように行動するわけではないからです。

 

 

 

実は、プロディーラーの間で共通認識といってもいい「投資家としての適性」というものがいくつかございます。

 

おそらく、多くのプロディーラーも同意すると思いますが、これら「投資家としての適性」を順番に紹介していきたいと思います。

 

 

 

1、為替が好き

 

「好きこそものの上手なれ」と言いますとおり、「為替が好き」という事が前提です。

 

暇さえあれば為替の事を考え、ニュース等でも為替について報じられている時は、注意深く見たり聞いたりする、というような姿勢がある人です。

 

好きだからこそ、考えたり研究したりもするわけで、そういう積み重ねが投資家としてのレベルを向上させるものなのです。

 

 

 

2、記憶力が良い

 

これを言われますと、「自分は記憶力が悪い」と肩を落とされる方もいるかもしれません。

 

しかし、特別に記憶力が良くなくても大丈夫です。

 

大事なのは、自分が勝負している相場の時間軸における記憶力です。

 

週足で勝負しているなら、週初から上がったのか下がったのか、前週はどんな値動きで終わったのかという事が分かっていれば十分です。

 

日足で勝負しているのであれば、今朝から上がったのか下がったのか、前日はどんな値動きで終わったのかという事が分かっていれば十分です。

 

人には「勘」というものがありますが、ただの山勘よりも、こういった値動きを把握しての「勘」の方が信頼できるものです。

 

自分が勝負している時間軸で考えた時に、こういった直近の値動きが頭に入っていますと、値段の変動を見て「今がチャンスかもしれない」と気づく機会も増えると思います。

 

そして、当然ながら、学習における記憶力も大事です。

 

しかし、「自分は特別に記憶力が良くない」という場合でも問題はございません。

 

「特別に記憶力が良くない」ならば、その分繰り返し学べばいいからです。

 

つまり、重要なのが「復習」です。

 

人間の記憶は、繰り返す程に定着するものだからです。

 

ですので、ぜひこれまでのコラムも再度読み返していただきたいですし、「復習」としても使っていただきたいと思います。

 

 

 

3、好奇心の強さ

 

「なんで上がったのだろう」「なんで下がったのだろう」という事に興味を持つ事が大事です。

 

日々ニュース等で様々報じられていますが、理想を言えば、報じられた内容を鵜呑みにするのではなく、「もっと他に要因はないのか?」「実際のところはどうなのだろう?」と、更に踏み込んで興味を持つ事が望ましいです。

 

例えば今週ですが、「もしも急激な円高の展開になったら、為替介入があるかもしれない」と私は意識しながら臨んでいました。

 

さらに、「もし実施するとしたら、間違いなく東京時間のはずだ」という事で、相場に臨んでおりました。

 

結果的に介入はありませんでしたが、こういう判断で臨んでいたのも、日頃から好奇心を持って情報を収集しているからです。

 

 

 

4、負けず嫌い

 

これは、闘争心をむき出しにするという事とはまた違います。

 

負けて「なにくそ」と思って、ギャンブル的なトレードを行う事とも違います。

 

ここで言う「負けず嫌い」とは、「絶対最後に勝ってやる」という信念を持って、努力をする「負けず嫌い」の事です。

 

こういう姿勢があれば、投資家としてのレベルは向上するはずです。

 

 

 

5、その他

 

「学歴」「血液型」等が「投資家としての適性」に関係があるのかという質問を受ける事がたまにあるのですが、これらは関係ないと思います。

 

なぜなら、学歴や血液型に関係なく活躍しているディーラーはたくさんいるからです。

 

例えば、スイスやイギリスなどでは、大学を出ていなくても活躍しているディーラーがたくさんいます。

 

逆に、私の個人投資家仲間の話になりますが、学歴があって、知識も学者並みに豊富であるにも関わらず相場で勝てない、というような人もいます。

 

大事なのは学歴ではなくて、上記1~4で挙げたような「適性」なのです。

 

もちろん、「血液型」も関係ありません。

 

実際、私が金融機関に勤めていた頃も、当然あらゆる血液型の人がいましたし、どの血液型でも優秀な人は優秀でした。

 

 

 

 

 

以上、簡単ですが、FXにおける「投資家としての適性」についてのお話をさせていただきました。

 

 

 

上記の「投資家としての適性」を見ていただきましても、決して特別なものではないと思います。

 

大事なポイントは、「意識」と「行動」なのです。

 

そのためにも、まず第一歩としましては、これまでのコラムをぜひ「復習」として再度読み直すなどしていただきたいと思います。

 

 

 

以前のコラムでは、日銀内部資料の話として、「1ドル=104円」や「1ドル=93円」の話をさせていただきました。

 

また、バークレイズ銀行は「1ドル=95円」という見通しを出してきているともお伝えしました。

 

 

 

一方で、最近の記事ではゴールドマン・サックスは「短期的に120円、年末までに130円」と予想していると報じられています。

 

ブルームバーグでは、「市場関係者50人余りに実施した調査の中央値では、円は3月末までに1ドル=120円、年末までに123円」と報じています。

 

 

 

いったい、どちらの予想を信じたら良いのでしょうか?

 

 

 

答えは「どちらも常に可能性がある」と思いながら、相場に臨む事なのです。

 

 

 

そのためにも、ぜひ「投資家としての適性」という今回の話を意識して、繰り返しになりますが、これまでのコラムをぜひ「復習」として再度読み直すなどしていただきたいと思います。