常識を疑う

 

「常識を疑う」という事についてお話をしたいと思います。

 

相場の世界でも、その他の物事でも、「常識を疑う」発想から新たなものが生み出されるのだと思います。

 

物事が停滞している時、「常識を疑う事」によって初めて現状を打破する事ができる、というイメージを私は持っています。

 

 

 

よく「日本の常識は世界の非常識」「世界の常識は日本の非常識」などと言われます。

 

ここで今一度考えていただきたいのですが、日本の常識は本当に「正しい」のでしょうか?

 

もっと突っ込んで考えていただきたいのですが、例えば「幸せ」について考えた時に、常識が人を幸せに導くと言えるでしょうか?

 

私は、「常識が人を不幸に導く」といったケースも十分に有り得ると思います。

 

 

 

昨年秋頃出版された本に、「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」という本があります。

 

みなさんにも一読される事をオススメしたいと思います。

 

 

 

この本の中で、様々な調査結果が紹介されています。

 

世界65カ国を対象とした調査では、日本の幸福度のランキングは39位で、先進国の中では30位という結果でした。

 

要するに、下から数えた方が早い順位です。

 

また、世界135カ国を対象とした調査では、日本は「見ず知らずの他人を助ける」で、134位という結果でした。

 

 

 

多くの場合、日本では常識に従う事が良いとされていますが、その結果が上記ランキングの結果です。

 

上記ランキング結果から考えますと、「日本の常識は人を幸せにするための常識になっていないのではないか?」という疑問が浮かび上がってきます。

 

日本では、時間に追われ、日々の満員電車での通勤に疲弊し、人間関係に神経をすり減らし、有給休暇すら取れない、という人が非常にたくさんいると思います。

 

多くの人がこのような事態に陥ってしまうのも、ひとつに「こうあるべき」という日本全体にまん延する「常識」が影響しているのだと思います。

 

 

 

例えば上述の本の目次では、「日本での盗みがフィジーでは共有になる」「貯金がなくても安心な未来」「オレオレ詐欺にわざとだまされる」「マニュアルなんてクソくらえ」「モンスタークレーマーのいない社会」「光速で友達になるフィジー人」「個室トイレの壁越しでも話しかけられる」「間違い電話の相手とも長話」等、興味を引く目次となっています。

 

要するに、フィジーの常識は日本の常識とはかけ離れているわけです。

 

しかし、幸福度ランキングはフィジーが1位となっています。

 

この事からも、今一度「常識が人を幸せにするのか」という観点で、日常のあらゆる「常識」について考えてみる価値は十分にあると思います。

 

 

 

さて、フィジーについてのお話でしたが、相場の世界でも常に立ち止まって「それは本当に正しいのか?」「もっといい方法はないのか?」と、考えるクセをつける事が大事だと思います。

 

巷にはFXの書籍等があふれていますが、そこで書かれている内容に対しても鵜呑みにするのではなく、「本当にそうなのか?」「もっといい方法はないのか?」という視点が大事だと思います。

 

もちろん、テレビや新聞等のメディアの報じる内容に対してもそうですし、政治に対してもそうだと思います。

 

 

 

私は、常に「常識を疑う」事を意識してきました。

 

例えば、相場の世界では「メンタルが重要」だと言われています。

 

そのため、「どうやってメンタルをコントロールするか?」というところに意識が向かいがちですが、私の場合は「どうやったらストレスを最小限にできるか?」と考えてきました。

 

さらに、教科書的な投資手法に対しても「本当にそうなのか?」「もっといい方法はないのか?」と考えてきました。

 

テクニカル分析に対しても「本当に使えるのか?」と考えてきました。

 

 

 

今でも「もっと改善できる事はないか?」という事を常に意識するようにしています。

 

 

 

常識というものはある意味「洗脳」のようなもので、身体に染み付いたものです。

 

そのため、人は簡単には変われません。

 

しかし何事も、ふと立ち止まって「意識」する事は可能です。

 

「本当にそうなのか?」「もっと正しい別の“選択肢”があるのではないか?」という事を考えてみるのです。

 

そうする事で、より良い方向へ進んでいけるのだと思います。

 

 

 

最後に、以前少し紹介しました「エンダウメント投資戦略」について触れたいと思います。

 

こちらは「米国屈指の名門ハーバード大学やイェール大学は、実は世界でもっとも先進的な機関投資家だった!」という帯で、書籍にもなっています。

 

エンダウメントとは大学財団の事ですが、ハーバード大学やイェール大学では、年平均で二ケタのリターンを20年以上にわたって実現しています。

 

その運用特徴を一言で簡潔に述べますと、「時間を味方につけ、どっしり構えた運用をしている」という事になります。

 

 

 

2016年は「世界同時株安」などと言われ、年始から暴落が続いており、為替も急激な円高に振れてきました。

 

この週末は反対に暴騰しましたが、今の世の中、今後も何が起こってもおかしくありません。

 

しかし、上述のエンダウメントのように、時間を味方につけ、どっしり構えた運用をしていけば、荒れた相場環境でも逆にチャンスに変えていく事が可能だと思います。

 

 

今後も様々な「常識」に対して考えるクセをつけ、ぜひ成功を手にしましょう!